東京での研修あれこれ3.インターフェイスの透明化/情報モラル
今日は8月14日。
8月9日・10日は発達協会主催の
「2016実戦セミナー M ICTを用いた指導・支援」の報告です。
前投稿に引き続き、
【発達障害・知的障害のある子へのメディア・リテラシー/
爲川雄二(東北大学)】より。
〇透明化による弊害
・オンラインでは伝達できない/伝達が困難な情報
-表情 -声色(抑揚など) -コミュニケーションの「間」
・透明化によって
「オフラインと同じように(上記の情報も)伝達されている」と錯覚
※たとえばの例で「バカで ごめんね」を提示
この言葉には「おどけている」「悔やんでいる」「怒っている」の
雰囲気を含む可能性がある。
この言葉は、表情なしでは誤って相手に伝わってしまう。
補助手段として絵文字が生まれた。
英語圏でも「絵文字」のことを「Emoji」と言うそうです。
〇相手の感情理解に困難をもつ自閉症スペクトラム障害
→透明化によって2重の困難?
→透明化の方がかえって快適?
※どっちだろう?
〇情報モラルの必要性
・「情報モラル教育実践ガイダンス」(国立教育政策研究所)の紹介
・SNS東京ルール
2015年 都教委
①一日の利用時間と終了時刻を決めて使おう
②自宅でスマホを使わない日をつくろう
③必ずフィルタリングを付けて利用しよう
④自分や他者の個人情報を載せないようにしよう
⑤送信前には、相手の気持ちを考えて読み返そう
※次のサイトが参考になる。
「SNS東京ルール」は昨年11月に発表されて、今は学校ルールや
家庭ルールが作成されて、今まさに旬な時。どうなるか見ていきたい。
〇特別支援教育での情報モラルの指導
・和歌山大学の取り組み
参考:和歌山大学 江田研究室 特別支援教育における情報モラルとコミュニケーションの指導
・以前、セミナーで話を聞いた豊田充崇先生の論文を読んでみた。
〇携帯各社のスマホ・ケータイ安全教室
〇リテラシー育成≠制限
・制限の例
-時間(夜間は使用禁止)
-場所(校内では使用禁止)
-コンテンツ(わいせつサイトへのアクセス禁止)
・制限が多ければ多いほど安心
-だからと言って、あれもこれも制限するくらいなら、
最初から一切使わせない方がよい。
・大切な考え方
-せっかく大金を出しているのだから、幸せな使い方をしてほしい。
-費用対効果 (=支出した費用によって得られる成果)
※スマホには大きなお金がかかる。無駄な使い方をしてほしくない。
※日本ではあれをしちゃいけない、
これをしちゃいけないといった教育になりやすい。
ICTの良さももっと伝えるべき。
〇「スマホ18の約束」の良いところ
・「あれもダメ、これもダメ」でない。
-代替手段を提示
-積極的にすべきことも提示
・息子の自尊心を上手に活かしつつ説得
-息子への愛情ゆえの約束
-責任の所在が明確
・母親が息子と同じ目線まで降りて、
あくまで「あなたのチームメイト」という視点から語っている。
-大人だって未熟、だから一緒に考える。
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