「きのこ雲の下で何が起きていたのか」その8/当日、御幸橋を通た人たちの証言
今日は8月21日。
8月12日のつづき。昨年の8月6日放映の
「NHKスペシャル きのこ雲の下で何が起きていたのか」
の聞き書きをしていきます。
ナレーター:今回、原爆投下当日に御幸橋を通った
31人に話を聞きました。
やけどがもたらす壮絶な光景も見えてきました。
両手をつき出した人。
皮膚がめくれた腕がこすれないようにしていたと言います。
多山壽夫さん(88歳):ぞろぞろとみんな御幸橋の方へ向かって
歩いていて、幽霊が出たというか、見るも哀れな姿で・・・
田戸サヨ子さん(84歳):ぼろぼろでしたよ ずるっと汚い
茶色の汚い雑巾をぶら下げているような、
みんな大人も子どももこうやって歩いていました。
ナレーター:取材をもとに再現した御幸橋の光景です。
皮膚をぶら下げ、うめきながら歩く人々。
爆心地の方からおおぜいやって来たと言います。
やけどを負った人々は、体内水分が急激に奪われました。
水を求めて亡くなりました。
西岡誠吾さん(83歳):「水を持ってこい」と言う。
「お~い、お~い」と弱々しい声で呼ぶわけですね。
柴田フミノさん(90):「水」って言って、水をくんできて
あげようと思ったら、もう死んでた。
そういう人が多かったですよ。
ナレーター:やけどを負った人々が最後に向かった場所が、
川でした。
飛びこんで多くの人が亡くなったと言います。
手島信行さん(83歳):熱いからか、飛びこんでくる者もいる。
どんどん飛びこんでいくのがね・・・
米倉繁二さん(82歳):御幸橋の下を あっちへ上へ行って、
上へ行った死体が下に流れ・・
もうああいう光景を今になって思い出したくないねえ。
ナレーター:御幸橋にたどり着いた人たちが見た光景。
壊滅地帯のいたるところで起きていた現実です。
なぜ「水」をほしがったのか、なぜ川に飛び込んだのか、
以前からの疑問が解けました。
原爆によってすさまじい熱線を浴びせられたためなのですね。
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