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2015年6月28日 (日)

渥美線電車機銃掃射 証言者の声

  

今日は6月28日。

  

前投稿に引き続き、昭和20年8月14日にあった

渥美線電車機銃掃射に関する記事です。

  

サークルで、「証言 渥美線電車機銃掃射 ー1945年8月14日の記憶ー」

(豊川流域研究会)から、ひとりの証言者の声を読み合わせしました。

  

鈴木哲也さんの証言です。

鈴木さんは1932年9月30日生まれの82歳。

当時は成章中学1年生(13歳)でした。

  

一部引用します。

  

「69年の封印を解く」

あれから69年、今までにばあさん(妻)にも、

子供たちに話したことはありません。

私一人の胸に封印してきたことです。49p)

  

封印してきたことなんですね。

研究会のメンバーが思い立って調査を始めなければ、

ここに書かれている証言は得られなかった可能性が高いものなのです。

  

電車で通う時は天津(あまづ)から杉山の駅まで歩き、

そこから電車に乗りました。

7時台の電車です。

電車に乗ると、老津や大清水、植田、南栄の友達がいました。

上級生に「お前ら1年は、後ろで立っとれ」「1年が座るもんじゃあない」

と言われていましたので、上級生は座っていましたが、

僕たちは電車の後に固まっていました。 (50p)

  

研究会代表の山田さんが言います。

機銃掃射は、電車の後部から襲ったそうです。

成章中学の犠牲者が多かったのは、

この後ろに固まる習慣が災いした可能性があると。

  

 

田原駅から乗った電車は1両でした。

今でも覚えているけど、電車には151号、152号、153号があり、

僕らが乗ったのは152号でした。

空襲警報が解除されるまで、発車はしなかったと思いますが、

その後解除されたので、発車したのではないかと思います。 (52p)

  

当時の電車には、時刻表は実質なくて、

「安全な時に発車せよ」という状態だったようです。

機銃掃射された電車が、いったい何時頃に出発したのかはまだ不明です。

研究会のメンバーが調査中。

その糸口を、小中学校の学校日誌に求めていました。

昭和20年8月14日の学校日誌を調べて、

空襲警報が発令された時刻が書かれていないかということです。

さっそく自分の勤務校を調べようかと思いましたが・・・・・

戦後にできた新しい小学校でした。

まだ誕生してから30年余しか経っていません。

電車は空襲警報が出ている最中に発車したという証言もあり、

電車の出発時刻は解明したいことなのです。

  

  

僕は後ろの出入口のとこに立ち、

窓から外を見るのがいつものしぐさでした。

発車してすぐに汐川を渡り、昔の神戸(かんべ)駅を過ぎると、

遠くに小野田セメントや蔵王山が見えてきます。

飛行機が最初に目に入ったのは、まだ電車が動いていた時で、

それは確かです。1機じゃありません。

2機か3機、たぶん2機だったと思います。スピードは速かったね。

 

最初遠くに小さい機影は見えず、突然低空で現れたので、

「やいやい、敵の艦載機が飛んどるなあ」

「低いなあ。よく見えるなあ」「こっちへ来るかな」と言い合ったと思ったら、

バリバリーと来ました。

小野田セメントへの引き込み線の手前あたりだったでしょうか。

  

電車の中は煙でもうもうとし、視界はぼやけて、

中の様子はわかりません。よく見えないのです。

撃たれた瞬間、バアーと煙が上がったことを覚えています。

  

電車の後にある車掌室には青年学校をおりたての車掌見習いと

女車掌がいました。

真っ先に、この2人がやられ、頭蓋骨が飛び、頭がありません。

それはかわいそうでした。

壁の上の天井に、穴がボコボコに開いていたことを覚えています。

  

撃たれても、電車はしばらく走りました。

運転手の機転で「松林のあるところまで何とか」という気があったと思います。

止まったのは天白変電所の少し手前、踏切に差しかかったあたりでした。

(52-53p)

  

やはり戦争はなまやさしくないのです。

一瞬で頭が吹き飛んでしまう戦争。

この証言が将来戦争を止める一助になるはずです。

引用してきましたが、ここまでです。

皆さんも、研究会の本を入手したら、ぜひ読んでみてください。

またいただいた冊子を読んで、

引用したり思ったことを書いていこうと思います。

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