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2014年6月 8日 (日)

今日はワーキングメモリの勉強2 「どこどこ」で表情を読み取る

  

今日は6月8日。

  

前投稿のつづき。

「特別支援教育教え方教室40」(明治図書)から引用しています。

  

※小嶋悠紀先生のページでは、4つのワーキングメモリのことが説明されていました。

 「①音韻ループ」「②視空間スケッチパッド(絵)」「③エピソードバッファ(経験)」

 そして「④中央実行系(集中)」です。

 以前、まとめたものとちょっと違います。

 ここでも道草 2学期はワーキングメモリートレーニング(2013年9月3日投稿)

 こちらの方がわかりやすいです。

 その違いである④の説明を引用します。

  

〇④中央実行系(集中)

 上記の①②③の実行に必要な量を調節し、

 必要量を確保する仕組みが中央実行系である。

 テレビに集中していると大人の声が入らない。

 本を集中して読んでいる子どもに声をかけても聞こえない。

 この場合、視空間スケッチパッドにワーキングメモリの容量を多く使い、

 音韻ループへの割り当てを少なくしている。

 このような容量調整の役割を中央で行っていると考えられている。

 また、どこに注目すればよいか決定する役割を担っている。(14p小嶋悠紀先生)

  

※小嶋先生は①~④をまんべんなく鍛えることが大事であり、

 「アタマげんきどこどこ」はそれができる教材だと書いています。

  

※ずっと印象に残っていたのが、「エピソードバッファ」の鍛え方。

 「アタマげんきどこどこ」では、同じ絵の子ども(動物他)を探す時に、

 問題コーナーのその絵にセリフがついています。

 「この花、よろこんでくれるかな」

 「おかあさん、ぼくもたべたいよ」

 といった具合にです。元の絵にはセリフはありません。 

 そのセリフによって、過去の経験を思い出し、その経験と似ている絵を探すから、

 「エピソードバッファ」を鍛えているというのです。

 この視点で書いているのは、小嶋先生だけではないかな。印象に残っています。 

  

   

※視知覚トレーニングとして「どこどこ」を活用しようとしている学校もありました。

 視線をスムーズに移動させる練習です。

 「アタマげんきどこどこ」を拡大コピーして掲示して行うのです。

 絵を拡大することで、見なければいけない範囲が広がり、

 スムーズにできない子どもが出てきます。そこで練習するのです。

 16~17pの翔和学園の吉村結先生の文章は、そんな使い方の紹介でした。

 実際、目の前の子どもで、そんなトレー二ングが必要な子どもがいます。

 その子にしてあげたい。

  

   

※兼田麻子先生の「アタマげんきどこどこ」の使い方は参考になりました。

 1年生の実践が書いてありました。

   

 絵本の中の遊んでいる子どもたちの場面から、話している言葉を考えることは、

 友だちとコミュニケーションをする力につながるのではないかと考えて実践を行った。

 また、問題を作るためには、特徴や表情を読み取る力も鍛えられる。

 さらに、お互いに問題を出し合うことで、音韻ループが鍛えられる。

 ワーキングメモリも鍛えられて、頭が元気になる。(48p兼田麻子先生)

   

※兼田先生は、次のように実践を行った。

 ①絵本の問題を解く

 ②自分で問題を作る

 ③隣の席の子と問題を出し合う

 ④問題を発表し、みんなで探す

 ⑤表情から話している言葉を考える

 ここでは⑤が特徴です。

 関係する絵を載せて、文章を引用します。

  

20090101_00000033↑「アタマげんきどこどこ ①学校編」(騒人社)

  

〇⑤表情から話している言葉を考える

 長縄を跳んでいる子を答にした問題を作った子がいた。

 「なわとびをしている子。疲れたと言っています」という問題だった。

 長縄を跳んでいる子は3人いる。

 どの子が疲れたと言っているのか挙手させた。

 一番前の男の子と、一番後ろの男の子に意見が分かれた。

 真ん中の女の子は、「疲れたとは言っていない」と子どもたち。

 その理由を聞くと、「ピースをしているから、疲れてない」と答えた。

 一番後ろの男の子は、「がんばろうって言ってるかもね」という意見があった。

 表情をみると、なるほどがんばって跳んでいる。

 一番前の男の子が「疲れた」と言っているだろうという子どもたちの意見になった。

 問題を作った子も、一番前の子が答えだった。

 表情や特徴から、話している言葉を推測することができた。(49p兼田麻子先生)

  

※ここまでは「アタマげんきどこどこ」を使っていませんでした。

 表情から話している言葉を考える、ひいてはその子が思っていることを考えることは、

 いい訓練だと思います。

 「『〇〇〇・・・』と言っている子」という問題作りをさっそくやってみたいですね。

  

  

  

※さらに、「アタマげんきどこどこ」でお話作りや作文指導の実践した先生もいました。

 そのことはまた次の投稿で。

  

  

   

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