今日はワーキングメモリの勉強2 「どこどこ」で表情を読み取る
今日は6月8日。
前投稿のつづき。
「特別支援教育教え方教室40」(明治図書)から引用しています。
※小嶋悠紀先生のページでは、4つのワーキングメモリのことが説明されていました。
「①音韻ループ」「②視空間スケッチパッド(絵)」「③エピソードバッファ(経験)」
そして「④中央実行系(集中)」です。
以前、まとめたものとちょっと違います。
ここでも道草 2学期はワーキングメモリートレーニング(2013年9月3日投稿)
こちらの方がわかりやすいです。
その違いである④の説明を引用します。
〇④中央実行系(集中)
上記の①②③の実行に必要な量を調節し、
必要量を確保する仕組みが中央実行系である。
テレビに集中していると大人の声が入らない。
本を集中して読んでいる子どもに声をかけても聞こえない。
この場合、視空間スケッチパッドにワーキングメモリの容量を多く使い、
音韻ループへの割り当てを少なくしている。
このような容量調整の役割を中央で行っていると考えられている。
また、どこに注目すればよいか決定する役割を担っている。(14p小嶋悠紀先生)
※小嶋先生は①~④をまんべんなく鍛えることが大事であり、
「アタマげんきどこどこ」はそれができる教材だと書いています。
※ずっと印象に残っていたのが、「エピソードバッファ」の鍛え方。
「アタマげんきどこどこ」では、同じ絵の子ども(動物他)を探す時に、
問題コーナーのその絵にセリフがついています。
「この花、よろこんでくれるかな」
「おかあさん、ぼくもたべたいよ」
といった具合にです。元の絵にはセリフはありません。
そのセリフによって、過去の経験を思い出し、その経験と似ている絵を探すから、
「エピソードバッファ」を鍛えているというのです。
この視点で書いているのは、小嶋先生だけではないかな。印象に残っています。
※視知覚トレーニングとして「どこどこ」を活用しようとしている学校もありました。
視線をスムーズに移動させる練習です。
「アタマげんきどこどこ」を拡大コピーして掲示して行うのです。
絵を拡大することで、見なければいけない範囲が広がり、
スムーズにできない子どもが出てきます。そこで練習するのです。
16~17pの翔和学園の吉村結先生の文章は、そんな使い方の紹介でした。
実際、目の前の子どもで、そんなトレー二ングが必要な子どもがいます。
その子にしてあげたい。
※兼田麻子先生の「アタマげんきどこどこ」の使い方は参考になりました。
1年生の実践が書いてありました。
絵本の中の遊んでいる子どもたちの場面から、話している言葉を考えることは、
友だちとコミュニケーションをする力につながるのではないかと考えて実践を行った。
また、問題を作るためには、特徴や表情を読み取る力も鍛えられる。
さらに、お互いに問題を出し合うことで、音韻ループが鍛えられる。
ワーキングメモリも鍛えられて、頭が元気になる。(48p兼田麻子先生)
※兼田先生は、次のように実践を行った。
①絵本の問題を解く
②自分で問題を作る
③隣の席の子と問題を出し合う
④問題を発表し、みんなで探す
⑤表情から話している言葉を考える
ここでは⑤が特徴です。
関係する絵を載せて、文章を引用します。
〇⑤表情から話している言葉を考える
長縄を跳んでいる子を答にした問題を作った子がいた。
「なわとびをしている子。疲れたと言っています」という問題だった。
長縄を跳んでいる子は3人いる。
どの子が疲れたと言っているのか挙手させた。
一番前の男の子と、一番後ろの男の子に意見が分かれた。
真ん中の女の子は、「疲れたとは言っていない」と子どもたち。
その理由を聞くと、「ピースをしているから、疲れてない」と答えた。
一番後ろの男の子は、「がんばろうって言ってるかもね」という意見があった。
表情をみると、なるほどがんばって跳んでいる。
一番前の男の子が「疲れた」と言っているだろうという子どもたちの意見になった。
問題を作った子も、一番前の子が答えだった。
表情や特徴から、話している言葉を推測することができた。(49p兼田麻子先生)
※ここまでは「アタマげんきどこどこ」を使っていませんでした。
表情から話している言葉を考える、ひいてはその子が思っていることを考えることは、
いい訓練だと思います。
「『〇〇〇・・・』と言っている子」という問題作りをさっそくやってみたいですね。
※さらに、「アタマげんきどこどこ」でお話作りや作文指導の実践した先生もいました。
そのことはまた次の投稿で。
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