多彩なフェイントが生まれたのは、褒められたい気持ち
今日は6月22日。
前投稿のつづき。
6月1日放映の「NHKスペシャル ミラクルボディー ワールドカップ(1)
ネイマール 変幻自在の至宝」より。
ネイマールによると、フェイントの数はいくつあるかわからないとのこと。
そしてこう言います。
「その時の状況に一番合うフェイントをやってみて、抜けなかったら別のフェイントを出す。
その繰り返しだよ。」
「実際に使うフェイントを、いつ思いつくかは、自分でもわからないね。」
「ドリブルをしている最中にひらめくんだよ。」
「考えてやっているわけではない。自然に出てくるんだ。」
なぜ無数のフェイントが自然と出てくるのか、番組は脳を調べました。
その結果、ネイマールは他の選手に比べて、ドリブルをする時に、
左脳が活発に働くそうです。
左脳は複雑な動きをつかさどる脳だそうです。
状況に応じたプレーをいくつか準備して、その中からベストのプレーを選び出し、
そして実行する。
その働きが脳で繰り返し行われていました。すばやく。
それが検査で判明しました。
番組では、ネイマールのたぐいまれな才能がどう培われたのか、生まれ故郷を訪ねています。
父親もサッカー選手。
繰り返し息子に言っていた言葉が、ALEGRIA(アレグリア/楽しむ)
どんなに辛くても、サッカーを楽しめという教えでした。
それは父親の苦い体験から来た言葉でした。
3部リーグでサッカーをやっていた父親は、充分なお金を稼ぐことができなかったそうです。
ミスにおびえ、サッカーを十分に楽しめませんでした。
なので、息子にはサッカーを楽しみなさい、
好きなサッカーを思いっきりやれと言っていたのです。
6歳でネイマールは、サッカーではなくてフットサルのチームに入ります。
少人数で狭いコートで行うフットサルはボールに触る機会が多い種目です。
ネイマールは言います。
「最初は大きな相手に倒されてばかりで、サッカーを楽しめなかった。
でもフットサルでドリブルを磨いたことで、相手をかわせるようになり、
楽しいと思えるようになったんだ。」
「困難を乗り越えれば、喜びと情熱が生まれる。これをあの時に学んだんだ。」
ネイマールにもちゃんと壁があり、そこを乗り越えてきた人なんだと知りました。
悩み苦しんだ人だと知りました。応援したくなりました。
そこで、ネイマールのコーチだった人が登場。
この人が教師として参考になりました。
ナレーターさんが語ります。
「フットサルのコーチだったベッチーニョさん。ネイマールに次々に難しい課題を与えていった。」
どんな課題。
股下にボールを通した子どもに対してこう言います。
「俺の足が開いているだろう。閉じたらどうする?」
なるほど、これが課題ですね。
子どもはこんな答えを出します。
カヘチーリャをやった子どももすごいのですが、
コーチのリアクションがいいです。
ボールは頭上を越えていったのですが、
どこだ?いったいどこにいったんだ、といった表情を
両手を広げてやっていました。
そして、いい答を出した子どもに言います。
頭を抱えながら、「いいぞ かっこいいぞ」
ナレーターさんが言います。
「褒められるのがうれしくて、ネイマールは多彩なフェイントを身につけていった。」
これぞ教育。
教えて褒める。
褒められたくて伸びる。
コーチはさらにいいことを語ってくれました。
ALEGRIA(アレグリア/楽しむ)について。
「ネイマールは、サッカーを楽しめるようになり、
その気持ちが体の動きをよくしていったんだ」
父親は、自分の苦い体験から、ALEGRIAを伝えたけど、
それが結果的にネイマールの動きを良くしたことになります。
コーチの説明で、合点がいきました。
「NHKスペシャル ミラクルボディー」は、6年前の走り高跳びの
ステファン・ホルムとドナルド・トーマスの話で興奮した覚えがあります。
※ここでも道草 走り高跳び「起こし回転」理論は良かった(2008年4月29日投稿)
再び興奮しました。
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