美の巨人「戦艦テメレール」
今日は9月18日。
昔から気になっていた絵です。
「戦艦テメレール」(1839年作品 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー作)
「美の巨人」で扱われると知って見ました。※参考:ここでも道草 (2013年9月16日投稿)
この絵は、新旧の対比を描いていると番組では言っていました。
蒸気船と帆船が新旧です。
番組中に絵についてナレーターの言った言葉が良くて、聞き書きしました。
イギリス人が最も偉大だと思う絵です。日が沈んでいきます。太陽の光は、色を失うまいと
叫びのような色彩を、夕映えの空と川面に照らしています。
しかし、夜の青が、静かに忍び寄ってくるのです。川面を照らす消えゆく黄金の光。
その一筋の光の先に浮かぶのは、黒い影を落とすブイです。
この墓標のようなブイに向かってくるのは、蒸気船のタグボート。
雄々しく、力強く、赤い炎のような煙を吹き上げながら、かつての英雄の巨体を曳いています。
まるで歴史の抜け殻のように白く輝く帆船は、静寂と沈黙をたたえながら、
その身を運命に任せています。その空には、消え入りそうな白い三日月。
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