夏の研修17 発達障害 1年生は9.3%出現
今日は8月30日。
夏の研修シリーズを今晩で終わらせようと思います。
8月27日に講座がありました。
「発達障害における二次障害予防について」
講師:河辺義和先生(蒲郡市民病院 小児発達外来)
場所:岡崎市図書館交流プラザLibra
※1時間半、発達凸凹についてしっかり話をしていただけました。
いろいろな立場の受講生がいるということで、
発達デコボコについて広く満遍ない話でした。
※ずっと聞いてきた特別支援教育のまとめのような話であって、ちょうど良かったです。
〇発達凸凹とは?障害ではない。
・認知特性(機能の偏り) 生後早期に明らかになる。
・行動特性 認知特性から来る行動特性
治る、治らないを論ずるものではない(しかし困らないようにする必要はある)
〇発達特性・凸凹
①対人障害 高機能自閉症スペクトラム ②行動障害 注意欠陥多動性障害
③認知障害 学習障害(読字 書字 計算障害) ④付随意運動 慢性チック障害
⑤運動障害 発達性協調運動障害(不器用) ⑥全般的知能障害 軽度精神遅滞
〇発達障害の頻度
・普通学級に通う小中学生の6.5%(2012年文部省データ)
(LD4.5% ADHD3.1% 高機能自閉症1.1%)※むむっ?6.5%にはならないなあ。
・学年別では小学校1年生が9.3% 中3では3.2%
〇発達障害の子どもの「何が苦手かをちゃんと理解してあげる」
〇発達凸凹の子によく見られる乳幼児期のサイン
①生後3-4ヶ月過ぎても笑わない ②あやしても反応が乏しい
③後追いをしない(母親の顔色をうかがわない) ④人の表情やしぐさを真似しない
⑤人見知りをしない ⑥他の子に興味がない
⑦指差しをしない ⑧言葉が遅い ⑨音や光に過敏
⑩偏食が強い ⑪一つの動作を繰り返す
〇ASD児 こだわり=先が見通しが立たない状態
(もともと初めてのことは超苦手・・・変化を求めない)
・自分が理解できる範囲のところから抜けられない。
〇ASD児 「当たり前に知っているはず」のことが身についていないのではないか・・・
・自然に身につくはずの対人関係スキルが、
ASD児では対人的相互性の障害により身につかない。
・対人関係スキルの経験不足と情報不足が重なっている。
・どうしたらいいいのか分かっていない という視点で対応しなくては。
〇ASD児 不適切な行動はあっさり止める・無視する。
適切な行動を教え、できたらしっかり褒める。
〇”適切にやれたこと”をしっかりASD児本人が理解していることを確認する
〇相手をして欲しいから”よくない言動をする”場合は無視する。
〇ASD児 なぜやれないのかを考える
・「いま何をしたらいいか」が分かってない状況にある・・・
・思いを言葉にできない・・・・するべきことがわからないことを適切に表現できない
結果、嫌だ、うるせー、フツウー などに
→SOSの出し方 「わからない」時にどうしたらいいかを教えていく
・言語・非言語表現に必要なスキルが未習得
→パターン的で構わないので言い方などを教える。
→こういうふうでこう思ったんだよね・・・代弁する
→選択肢を用いる
・想定外のことに対応するのが難しい
・一度に多くの指示が覚えられない
・何をどこから始めたらいいのかがわからない
→指示の出し方を細かいステップに分ける
・見通しを立てて優先順位をつけられない
〇前頭前野の働き 「思考」「学習」「注意」「意欲」「情動」「創造」など高いレベルの精神機能の調整
①新しいものを創造する
②新しい知識を取り入れる
③蓄積した知識新しい知識を関連付ける
④TPOに合わせた行動をとるために①~③をコントロール
⑤発達に関連した機能には、心の理論、実行機能作業記憶(ワーキングメモリー)、
模倣動作(ミラー・ニューロンシステム)がある。
〇言語の発達支援
・子どもの動作を真似る。
・子どもの出す声を真似て返す。
・子どもの状態、気持ちを代弁してあげる。 (つづく)
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