屋形船の写真は内田九一撮影
今日は4月17日。再スタートから4日目。
前投稿に続いて、本「続 幕末・明治のおもしろ写真」(石黒敬章著/平凡社)より。
28pに載っていた写真です。
ドラマ「JIN ~仁~」のオープニングに出てきた写真でもあります。
その時にこの写真はベアトが撮影したものとして書きました。
しかし、この本によると撮影者は違いました。
内田九一(うちだくいち)という人の写真です。
1844年生まれで、1875年没。32歳!
肺病を患っての早すぎる死でした。
※参考:「写真が紐とく幕末・明治 幕末・明治初期の写真師・内田九一の没後と、その妻・おうた」141
あの有名な明治天皇の写真を撮影した人でもありました。
この人が初代の社長である内田写真株式会社が大阪にありました。
HPはここ。http://www.uchida-p.co.jp/
上の屋形船の写真は、明治初年の撮影のようです。
本にはこう書いてありました。
湿板写真の時代であり、露出には数秒かかるはずなのに、
船が全くブレていないのが不思議だった。 (27p)
石黒さんは、骨董市で、屋形船の別角度から撮った写真を手に入れます。
(とにかくこまめに写真を収集している石黒さんに感心します)
その写真からの推理で、この船は浅瀬に置かれた船であって、水に浮かんでいないという考えに至ります。
だからぶれずに撮影できたわけです。
面白い!
さらに、屋形船の屋根の上に人が乗っていることについて、こう書いています。
屋形船の屋根の上に乗る習慣はあったようだ。
江戸東京博物館で開催された企画展「江戸の夏ーその涼と美」に、
屋形船の屋根に乗っている図が二枚展示されていた。
いずれも男性で、懸命に屋根につかまっていた。
その後気にかけていると、屋形船の屋根に乗ってくつろいでいる絵や写真は度々目に留まった。
明治の隅田川は、今よりずっと波がなく穏やかだったようだ。
今は大きな船が通るようになり、その波がコンクリートで固められた護岸で増幅されて、
大波が出来るようになったのだそうだ。
昔の写真を、現在の目で見て判断してはいけないと反省をした。 (30p)
この本を読み、他にもいろいろ調べてみて、古写真は面白いと思う。
どうする?また好奇心が動く。
忙しくなっちゃうよ。
次の投稿のつづく。
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