浮世絵はチームで作った
今日は10月20日。
社会の時間。
昔の番組を見せています。
1995年5月25日放映の
「コメディーお江戸でござる はやらぬ宿には福来たる」です。
江戸時代を勉強するにあたって、杉浦日向子(ひなこ)さんに出会わせたいと思いました。
「コメディーお江戸でござる」では、
毎週江戸時代の劇が演じられ、その後に杉浦日向子さんが登場。
江戸時代の劇として、「ここが間違い」というのをどんどん話していきます。
それがとても楽しい。へ~そうなんだと思うことがいくつもあります。
杉浦日向子さんは、江戸時代に生きていた人ではないかと疑うほど、
まるで見たかのように、まるで体験したかのように話をしていました。
前時で劇を見せました。
明日の次時で、杉浦日向子さんが、「ここが間違い」という話をするところを見せます。
子どもたちに、どこが間違っているとか考えておいてと話しましたが、
ちょっと難しい。
ここで答えを書いておきます。
〇劇では、浮世絵の元絵を描く絵師は「先生」と呼ばれ、評判のいい絵師は重宝がられたとしていました。
ところがこれが間違い。
次の本から引用します。
「お江戸でござる」(新潮文庫)
浮世絵は、ひとつのプロジェクトチームで作られていきます。
絵師はその一員として、「版下絵」を担当します。
「絵師」というより、しばしば「画工(がこう)」と呼ばれました。
「版元」(出版社)があって、プロデュースをする「案じ役(あんじやく)」がいて、
画工がいて、「彫り師」がいて、「刷り師」がいて、
みんなが集まってできていくのが、浮世絵です。
モデルは誰にしようとか、色はどうしようかということも、
皆で頭を寄せ合って決めます。(21~22p)
「北斎(ほくさい)」とか「写楽(しゃらく)」「歌麿(うたまろ)」というのも、
プロジェクトチームを指すものであって、ひとりの名前とは限りません。
絵師のことは、本名で呼ぶことが多く、
北斎であれば「鉄蔵(てつぞう)さんやい」と呼び「北斎先生」と呼ぶ人はほとんどいません。
浮世絵師は、画家というよりは、テレビや映画の制作スタッフに近い存在です。(22p)
これは意外でした。
「葛飾北斎」「東洲斎写楽」「喜多川歌麿」という絵師はいたのですが、
これはプロジェクトチーム名であって、絵師もチームの一人にすぎなかったようです。
番組の中で杉浦さんが、絵師が絵に色を塗ることは滅多になかったと言っています。
あの浮世絵は、チームみんなで作ったものだったのです。
〇間違いはもう一つ。
絵師役の矢崎滋さんが、自前のメガネをはめていましたが、これが間違い。
江戸時代のメガネは、耳にかけるところはひもだったとのこと。
メガネの歴史も面白そう。
お江戸でござる、とても懐かしいですね。
あれなら、楽しく歴史が勉強できそうです。
教科書に載っていないことが、子どもたちには意外とうけたりしませんか?
学校では、載ってる内容と違うとき(今回のように)はどうしていますか?
歴史はそれが難しそうな気がします。
杉浦さん、もう亡くなって6年になりますね。
非常に残念です。
もう一度、あの番組が見たいものです。
投稿: hot tea | 2011年10月20日 (木) 23:38
hot teaさん、コメントをありがとうございます。
教科書と違ったことが出てくると、かえって喜びます。
歴史はこういうものだと教えることができます。
教科書に載っているのはあくまでも一説。
何が本当なのか追究しようという展開。
杉浦日向子さんが亡くなったのは驚きでした。
江戸時代から生き続けていたように思えた人なので、余計にです。
投稿: ここでも道草 | 2011年10月22日 (土) 08:00