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2010年8月26日 (木)

【ほめ論】引用

  

今日は8月26日。

夏休みに触れたいろいろな意見を全てブログに載せることは時間的に難しい。

でも、少しでもブログに転記して、再認識し、

機会があるごとに繰り返して読んで、血や肉になってほしいと思います。

    

7月25日発行のメルマガ「教材・授業開発研究所ニュースVol.109」の

赤磐市立軽部小学校の南惠介先生の「ほめ論」は1カ月たった今も印象に残っています。

   

※赤磐市の読みも、何県にある都市であるかも知りませんでした。

 調べました。読みは「あかいわし」。

 岡山県。2005年に4町の合併によって生まれた市でした。

    

引用します。たくさんです。

    

      

【ほめ論】

1 ほめることの効用

ほめることは大切だといろいろなところで言われています。

では,なぜ大切なのでしょうか。以下,思いつくままに述べていきたいと思います。

  

(1)向かうべき方向を示す

有田和正氏は,近著「教え上手」(サンマーク出版)の第4章「モチベーションを高め,才能を伸ばす技術」の

「人はほめられていた方向に伸びていく」の中で次のように述べられています。

「加点主義は『キミはここがすばらしい。ここを伸ばしなさい』。

減点主義は『キミはここが悪い,ここを直しなさい』。

前者は期待されている感が強く,後者は叱られている感が強い。

どちらが人のやる気を刺激するかは言うまでもないと思います。」

「その加点主義の要諦は『ほめる』ことにあります。」

手をまっすぐあげるようにさせたければ,まずできている子を「えらい」とほめてみる。

ノートにたくさん書かせたければ,1行でもたくさん書いている子を見つけて「すごい」とほめる。

そうすることにより,子どもたちは自分たちがどのようにすればよいのかを理解しいきます。

「手をまっすぐあげなさい。」「もっとたくさんノートに書きなさい。」と言わずに,

笑顔で子どもたちが頑張り始める。そんな世界が広がってきます。

   

(2)自尊感情を高める

ほめることは,子どもの自尊感情を高めます。

できたことをしっかりほめていくこと。そして今できていることをしっかりほめていくこと。

このような教師の行為で,子どもたちは自分の良さに気付き,安心し,自信をつけていくのです。

2 もう一つの効用

上記の二つはいろいろなところで書かれたり,言われたりしていることだと思います。

今回は,もう一つ「ほめること」は幸せの感覚を得させることができるということに触れたいと思います。

朝日新聞の記事の中で,精神科医の香山リカ氏がこう書かれていました。

「人が幸せの感覚を得るには『ちがうものに変身しなさい』とか『こういうものを目指しなさい』と求めるのではなく,

すでに達成していることを十分評価してあげることです。

ここでのポイントは「今あることをほめる」ことです。

「できたこと」をほめるだけでなく,「今までできてきたこと」「今自分であること」をほめることは,

子どもをできるようにするためだけではなく,幸せにするために重要なポイントではないかと考えています。

実は,できたことだけほめていくと,教師も子どもも少し苦しくなるのです。

それは「ほめる」という行為ではありますが,「評価」でもあるからです。

常に「評価」し続けること,「評価」され続けることは,嬉しさもありますが,お互いに緊張感も伴います。

  

3 やたらめったらほめる そして好きになる

では,何をほめればよいのでしょうか。

ほめることを「できたこと以外」に求めると,子どもも教師もいろいろ楽になります。

マラソン指導者の小出監督は耳の形や足首をほめるそうです。

つまりほめようと思えば,くつのはき方から,

鉛筆の何気ない置き方から,なんでもほめることができるものです。

それでもほめることを見つけることができなければ,「好きなこと」を探す。

声でも,しゃべり方でも,ちょっとしたしぐさでも,笑い方でも。「良い」ではなく「好き」でも,

子どもの認められ感は高められていきます。

自信が無くて,何事をするにも不安で緊張し,

よく涙を流していたR君が,私に突如こう訊きました。

「先生,ぼく何にもできんし,だめよなあ。」

「そんなことねえよ。でも,もしなんにもできんでも先生はR君のこと好きよ。」

R君は,にっこり笑って体を寄せてきました。

その一言だけが良かったわけではないでしょうが,

あれだけ自信のなかったR君も日に日に自信をつけ,

いろいろなところで活躍するようになってきました。 

きっとほめることなんて,なんでもいいのです。

いや,授業中は基本的に「評価」につながる「ほめ」であるべきだと思います。

でも,なんでもない時は,本当になんでもかんでもほめる。

「いいがかりをつけるようにほめる」「息を吐くようにほめる」「どうでもいいようなことをほめること」

これが,案外大切なのではないかと,最近考えています。

そのようにして,教師は子どもを肯定的に見る癖をつけていくのだと思います。

有田氏は「教え上手」の中で,次のことも述べられています。

「相手のよいところだけ見てやろうと最初から決めてかかれば,

その通りよい面がたくさん目についてきます。」

勿論,ほめるだけで全てがうまくいくわけではない。

叱ることも時には必要だと思います。

ただ,叱ることにはほめること以上に難しさがあります。機会があれば,またこのMMにて。
      

     

太字で表現したのは私です。

そこが特に印象に残ったことです。

ほめることを「できたこと以外」にもやること。

ほめることがなかったら、好きだということ。

いいがかりをつけるようにほめること。

実践しよう。

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