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2010年1月10日 (日)

「ラブ・パレード」の中の「ら」抜き言葉/テレビ金沢・塚田誉アナ

(前投稿のつづき)

「夜空ノムコウ」のように、流行歌に「ら」抜き言葉が入っていることは間々あるようです。

たとえばORANGE  RANGEの「ラブ・パレード」。

   

心で君を抱きしめる 今は少しだけ愛を信じれる

    

心で君を見つめている そばにいるだけで 愛を感じれる

     

の2か所です。

YouTube: Orange Range - Love Parade 2005 05 25

   

せっかくいい歌だと思ったのに、

「ら」抜き言葉があって残念という声もいくつかありました。

気になる人は気になるようです。

    

「テレビ金沢」の次のサイトでは、

川村結花さんの曲「全身鏡」の「ら」抜き言葉に始まり、

塚田誉アナウンサーが「ら」抜き言葉について語っています。

とてもわかりやすい文章です。

「『見れる』『食べれる』について その3」https://www.tvkanazawa.co.jp/ana/tsukada/vol036.html

このサイトによると、

江戸時代後期から明治前期にかけて、

可能動詞が生まれたそうです。

「動かれる」「走られる」のように、

五段活用の動詞に助動詞「られる」をつけて可能の意味を表わさずに、

「動ける」「走れる」という新しい言い方(可能動詞)が生まれました。

そして「動かれる」「走られる」といった言い方はとても少なくなりました。

「はしられる」とうって、変換しても「走られる」は出てこないくらいです。

※参考:五段活用の活用例

・・・動ず(未然)・動ます(連用)・動(終止)・動時(連体)・動ば(仮定)・動(命令)動う(未然)

そして、昭和50年代から今、「ら」抜き言葉が出てきて、

五段活用以外の動詞も可能動詞の形になってきたそうです。

「見られる」が「見れる」に、

「来られる」が「来れる」という変化が出てきました。

江戸時代後期から明治前期のように、

「ら」抜き言葉が広がる可能性が高いようです。

   

塚田さんは次のようにまとめておられます。

私のように、「ら」抜き言葉をにわか勉強した者には届かない深い言葉です。

   

江戸時代のある時期、可能を示す助動詞「らるる」が「られる」に変わった。

明治にかけて、可能動詞というニューフェースが広まった。

そして、私たちは、再び変化しようとしている日本語の生の姿を、いま正に見ていることになる。

これは一時期の流行語ではなく、言葉の構造が根本的に変化するという現象である。

自分が、たまたま日本語の歴史の節目に生き合わせた。そんな感慨とともに、日本語という言葉に一層の愛着を感じる。

これまで何度の変遷をたどったことだろう。その度にどんな世論が起こっただろう。人々はどんな思いで新しい表現を使っただろう。

「ら抜き」を悪役と決めつけてはならない。世の中の姿を映すドラマや歌で「ら抜き」が使われるのは、むしろ自然なこととさえ言える。

日本語は生きているのだ。

以上のことを考えると、なおさら、私は「ら抜き」は使いたくない。

ただでさえテレビ・ラジオで広範囲に情報が伝わる時代である。

アナウンサーは、言葉を率先して変化させる立場ではなく、むしろ言葉に対して保守的であるべきだ。

私は日本語が好きであり、たまたまアナウンサーである。

最後の一人になっても、私は「ら」を入れてしゃべりたい。

    

次のサイトも一緒に読むと勉強になります。

「『見れる』『食べれる』について その1」http://www.tvkanazawa.co.jp/ana/tsukada/vol034.html

「『見れる』『食べれる』について その2」http://www.tvkanazawa.co.jp/ana/tsukada/vol035.html

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