鋳物業に使われている砂/国立競技場の聖火台
マンホールを作っている旭テックの工場を見学したときに、
型を作る時の砂をさわらせてもらいました。
手で握ると簡単に固まります。
不思議なのは、手についた砂がパンパンたたけば簡単に取れてしまうこと。
簡単に固まるのに、簡単に取れてしまう。
相反するような性質をもった砂でした。
鋳物業の型で使われる砂は、何度も再利用されるそうです。
この砂の研究に没頭した人もいたとのこと。
確かに普通の砂ではありませんでした。
鋳物業・・調べれば調べるほど奥が深い。
歴史があるもんなあ。
前投稿で紹介した本。
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この本に国立競技場の聖火台のことが書いてありました。
この聖火台も鋳物。
この聖火台を作ったのが、川口市の鈴木鋳工所(ちゅうこうじょ)。
上野の西郷隆盛像づくりに参加した鈴木万之助さんに聖火台が発注されました。
しかし、湯入れの時に失敗。寝込んだ万之助さんは5日後に亡くなります。
湯入れとは、溶湯を型に入れることでしょう。最後の段階で失敗してしまったのです。
万之助さんの息子鈴木文吾さんが、
師である父親の意思を引き継いで不眠不休で作りあげました。
東京オリンピックでこの聖火台に火がともりました。
※上は8月3日のニュース写真より。
http://sankei.jp.msn.com/beijing2008/news/080803/gbh0808032050008-n1.htm
鋳物の歴史のほんの一つ。
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