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2025年2月10日 (月)

本「南海トラフM9地震は起きない」⑧ 熱移送説概略

  

今日は令和7年2月10日。

  

前記事の続きで、

「南海トラフM9地震は起きない」

(角田史雄・藤和彦著/方丈社)

から引用していきます。

   

熱移送説

私は前述したマントルトモグラフィの画像を基に熱移送説を構築しま

した。 その概略をかいつまんで説明してみましょう。

熱移送説の中で主役を務めるのは、「プレートの移動」ではなく、

「熱エネルギーの伝達」です。その大本の熱エネルギーは、地球の地

核(特に外核)からスーパープリューム(高温の熱の通り道)を通って地

球の表層に運ばれ、表層を移動する先々で火山や地震の活動を起こす

というものです。

火山の場合、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこ

にある岩石が溶けマグマ(約1000度に溶けた地下の岩石のこと。この

高温溶融物が地表へ噴出したのが溶岩)と火山ガスが生まれます。そ

して高まったガス圧を主因として噴火が起きます。

地震の場合は、地下の岩層が熱で膨張して割れることにより発生しま

す。 溶接でくっつけた鉄を力ではがすのは大変ですが、熱すると簡単

にはがれることを皆さんはご存じだと思います。熱エネルギーの量が

多いほど、大きな破壊(地震)が発生します。

スーパープリュームは、地球の中心(外核)から、南太平洋 (ニュージー

ランドからソロモン諸島にかけての海域)と、東アフリカの2か所へ出

てきます。

これは、地球の中心から表層に向かう流れの本流です。これ以外の無

数の小さな支流は、隙間を見つけて地球の中を上へ上へと向かってい

るようです。日本の地震や火山の噴火に関係するのは、南太平洋から

太平洋の周りを流れる本流のほうです。

南太平洋から出てきた熱エネルギーは、西側に移動し、インドネシア

に到達すると3つのルートに分かれて北上します。

1番目のルートは、インドネシアを経由してフィリピンから西日本に

到達する流れで、フィリピンのP、ジャパンのJをとって「PJルート」

と呼んでいます。

PJルートは、大きな噴火や地震が頻発しているフィリピンや台湾、

沖縄から九州にかけた霧島火山帯へと続いています。2016年4月の

熊本地震を起こしたのは、この熱の流れです。

2番目のルートは、南太平洋からの道筋はPJルートと同じですが、

フィリピンで枝分かれし、マリアナ諸島→伊豆諸島→東日本という

流れです。 マリアナのMとジャパンのJをとって「MJルート」と呼

んでいます。伊豆諸島に沿って北上した熱は、南関東→東関東と、

日本海溝→東北太平洋岸に枝分かれします。伊豆諸島北部で火山が

噴火すると、1~2年後に首都圏南西部で地震が起きます。南関東→

東関東の熱の流れは、多摩川や埼玉・東京都県境などの決まったゾ

ーンを西から東へ順に「飛び跳ね」ながら地震を起こすと考えてい

ます。

3番目のルートは、インドネシアのスマトラ島→中国というルート

です。スマトラのS中国のCをとって「SCルート」と呼んでいます。

この熱の流れが、2008年5月の中国の四川大地震を起こしました。

火山の噴火と地震の発生場所はずっと同じです。約10億年前の地球

の大変動により、環太平洋地域は深く裂けて熱水が上がってきて、

岩石をすっかり変えてしまいました。その後もマグマが噴き出し続

けて火山をつくり、 地震を頻繁に発生させる場所になったのです。

それが今も続いていて、環太平洋火山・地震帯と呼ばれる、火山と

地震がペアで起きる場所になったのです。

熱エネルギーが通りやすく、たまりやすい場所でもあるので、高温

化する場所や岩盤の割れやすい所が、10億年間もほとんど変わら

なかったのです。このため熱エネルギーが移送されることによって

生じる火山の噴火地点や地震の起こる場所はいつも同じです。

熱エネルギーは1年に約100kmの速さで移動します。このため、

インドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その

何年後に日本で地震や火山の噴火が起きるかが、ある程度予測でき

ると考えています。火山の噴火から地震発生の予兆を捉えることも

可能です。

東アフリカにも南太平洋以外のスーパープリュームの湧昇場所があ

ります。 東アフリカからの熱移送ルートは、地中海→イタリア→

トルコを経由して、ヒマラヤ山脈に行き着きます。

2つのスーパープリュームからの熱移送は、どちらもヒマラヤに辿

り着き、地下700kmあたりで合流して地面を押し上げることで、

世界最高峰の山々の形成を後押ししたと考えています。

以上が熱移送説の概略です。

(109〜113p)

  

図も転載します。

Img_0490

(111p)

  

たくさん引用しました。

OCRを使うと、簡単に文章を引用できるので、

ついついたくさん引用してしまいます。

後で読むのは大変ですが、これは大事だと思うものは、

詳細まで記録しておきたいと思うので、長文になります。

熱移送説。

この考え方ならば、少しは日本の地震の予知ができる可能性が

出てくるぞと思いました。

さらに、インドが大陸にぶつかってヒマラヤ山脈ができたと

ずっと思ってきたのですが、

高熱によって地面を押し上げることができるのなら、

熱移送説も納得できます。

高熱が及ぼす地面の膨張は、予想以上に大きいようです。

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