叔父さんの発した言葉について考察「どさまく」「さなえる」
今日は令和7年1月3日。
車で10分ほどのところに住む親戚の叔父さん。
設楽町生まれで、私と同業の教師でした。
勤務地は蒲郡市。
もうじき76歳。
その叔父さんが発する言葉が、2つ印象に残りました。
「どさまく」
設楽町と同じ北設楽郡の東栄町で、
お葬式があり、親戚が集まった時のこと。
焼き場に行って、骨になるまで待つ休憩室でのこと。
「どさまくもらった」という叔父さんの発言。
意味は予想がつきます。
「たくさんもらった」という意味でしょう。
「どさまくって、北設(ほくせつ/=北設楽郡)の言葉なの?」
と聞きました。
周りには東栄町、設楽町の人たち。
「どさまく?知らんぞう」との回答。
叔父さんもびっくりしていました。
北設の言葉と思っていたようです。
しかしどうやら、蒲郡市に勤めるようになって身についた言葉だと
結論になりました。
ネットで調べてみました。
「どさまく」はここに載っていました。
意味は「たくさん」です。
三河弁です。
三河弁と言っても、三河地方全体で使われているわけではなく、
限定的です。
「さなえる」
設楽町の奥さんの実家から頂いた自然薯。
叔父さんにも持って行ってほしいと頼まれました。
自然薯を叔父さんの家に持って行った際に、
叔父さんが「じゃあ、さっそく自然薯を畑にさなえるよ」という発言。
「さなえる」はどんな意味?
これは叔父さんに直接聞きました。
「自然薯が長持ちするように、土の中に埋めること」です。
さあ、これはどうなんだろう?
設楽町の奥さんの実家で聞いてみました。
現在60代後半の奥さんのお兄さんに聞いたら、
「知らんぞう」とのこと。
むむ、設楽町の方言ではないのかな?
そうそう奥さんにはすでに聞いていて、
知らないとのこと。50代後半です。
設楽町の方言ではないと結論づけようとしたら、
奥さんのお母さんが知っていました。
「よく使っているぞ」とのこと。
80代後半。
つまり「さなえる」は設楽町の方言でした。
ただ使っている人は、75歳以上の人。
消えかかった言葉と言えます。
ネットに出てくるのか調べました。
「さなえる」を説明している唯一のサイト。
カタツムリの唄 さなえる?早苗流?(Have you ever heard these words?)
引用します。
「さなえる」って私は言っているのだけれど・・・・・先輩にそう言
われたので自分のそう言っていたのだけれど、ブログにアップするこ
とになったら少し心配になって調べてみた。
早苗(さなえ)とは「稲の苗で、苗代から田に移し替えるころのもの。
」なのだそうだ。「さなえる」という動詞は見つからなかったのだが、
大分近い感じはする。
要は、写真のように種が発芽して、ある程度まで大きくなった苗を(
そのままでは根が絡んでしまうし、栄養が行き渡らずに大きくならな
いから)一本ずつに植え替えることを「早苗る」と言うのだ。
う〜ん、この説明では、不十分です。
自然薯の場合とは違います。
この人が書いているように、動詞「さなえる」は、
ネット上にはなかったです。
Xの発信者「さなえる」さんはいました。
方言だとは思いますが、下手すると、
「長持ちさせるために、土の中に埋める」意味での
「さなえる」は消えていく運命なのかな。
ここに書き留めておくことは、思ったよりも大事なことかも。
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