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2024年9月15日 (日)

本「日本海軍はなぜ過ったか」① 録音テープが無駄にならなかった

   

今日は令和6年9月15日。

  

この本を読みました。

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アマゾン

「日本海軍はなぜ過ったか」

(澤地久枝、半藤一利、戸髙一成/岩波書店)

  

ここから引用していきます。

 

「海軍反省会」との出会い

「軍令部にいた海軍軍人たちが、戦後密かに集まり、「反省会」と

いうものを開いていたのだけど、その録音テープが何十時間分も家

にしまってある」

二〇〇六年四月、東京・渋谷のNHKの近くにある居酒屋で、私の隣

に座っていた戸髙一成氏は、箸を止め遠くを見るような顔で、ボソ

ッと呟いた。

「軍令部」「密かに」という言葉とともに、戸高さん以外聴いた人

がいないという数十時間の「録音テープ」の存在に、私は思わず興

奮し、戸高さんの肩を抱きかかえるようにしてお願いした。

「戸高さん、そのテープを是非聴かせてください。 一緒に番組をつ

くりましょう」

それまでも私たちは、戸高さんをNHKに招いて定期的に勉強会を開

いていたが、この日もそれが一段落し、いつものように場所を近く

の居酒屋に移し歓談していた。

戦時中の歴史には、多くの空白がある。終戦直後、連合軍が日本を

占領する前に、軍部が重要資料の多くを焼却したためだ。 「その空

白を、反省会のテープが埋めてくれるのではないか」と私は期待し

たのである。この時、同席していたディレクターの右田千代、カメ

ラマンの宝代智夫、編集スタッフの小澤良美も全く同じ気持ちであっ

たと思う。

そして、このスタッフが中核となって、それから三年後に放送され

るNHKスペシャ「日本海軍 400時間の証言」(全三回)と、この本の

ベースとなった特集番組「日米開戦を語る 海軍はなぜ過ったのか」

を制作することになった。

(iii ~iv)

  

NHKの藤木達弘さんの文章です。

私の見ている政治系YouTuberは、NHKなんて見ない方がいい、

嘘ばっかり流しているから良くないと、常々言っています。

でも、この記述の番組スタッフの動き、考え方はいいなと思います。

「海軍反省会」は、戦後35年経って始まった、

海軍の士官・参謀たちが、戦争中にどんなことがあったのか、

自分たちが存命中に残しておこうと考えて、

定期的に集まって、実際に何が起こっていたのかを

明らかにしようとした会のようです。

この本を読んで初めて知りました。

  

1980年(昭和55年)から始まった海軍反省会は、

11年間、130回余り行われました。  

しかし外部の人を入れなかった反省会、

その様子を録音したテープも、聞く人はいませんでした。

でも、2006年(平成18年)に居酒屋での会話から、

世の中に出ることになったのです。

そして2009年のNHKスペシャルに繋がります。

NHK、すごいよと思います。

  

次は、録音テープを持っていた戸髙さんの文章です。

  

平成一八(二〇〇六)年、知り合いのNHKの藤木達弘プロデューサーと

時々行っていた、日本海軍の歴史に関する勉強会の時、たまたま海軍

反省会の話題になり、テープを保存していることを話した。 藤木氏の

反応はビックリするほどで、その場でテープを貸すことを約束した。

藤木氏は、「戸髙さん、絶対そのテープ、聞いては駄目ですよ。もし

も劣化していて、膜面が剥離などしたら、再生不能になります。NH

Kの技術担当者に複製をつくらせますから」と言った。しかし、「私

が持っているのは、反省会全体の最初のほうだけで、幹事が代わった

あとのテープは持っていません」と話すと、「何とか探せませんか」

と言うので、後日、反省会の後半の幹事をしていた平塚氏の電話番号

をディレクター(当時)の右田千代氏に伝えた。

まもなく、右田氏から、「戸髙さん、連絡とれました。 平塚さんは

お元気です。 戸髙さんのお名前を出したら、懐かしがっていました」

と知らせがあった。平塚氏には随分お世話になっているので、久しぶ

りにお邪魔することにし、右田氏と平成一九(二〇〇七年八月、平塚

氏宅を訪ねた。

平塚氏には長らくお目に掛かっていなかったが、九二歳とは思えない、

しっかりした話しぶりだった。話題が海軍反省会に及ぶと、「実は、

私が幹事をした回のテープは全部保存している」と言われた。 そし

てしばらく考えて、「戸高さん、資料は全部貴方に託す。もう私が持

っていることはない」と、私たちを書斎に案内された。平塚氏の机の

下から、厳重に梱包されたダンボールが引き出された。中には一一〇

本のテープが収められていた。

平塚氏にとっても、海軍反省会の資料の保存は最後の任務であったの

だろう。テープを私に渡すことを決めたあと、氏はほっとした表情に

なられた。

(xviii ~xix)  

  

録音テープが劣化している可能性があるとのこと。

2006年のことだから、テープは1980年以後のもの。

古いものでは26年間のブランクがあることになります。

そうか、古いテープは、簡単に再生しようとしては

いけないんだ。

私の家の納戸にある録画テープは、

40年以上前のものがあり。

ちょっとその点が気になった文章でした。

  

戸髙さんとNHKは、できるだけたくさんの録音テープを集め、

それを聞いて、番組を作りました。

NHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」3本。

2009年放映。大反響だったようですが、私は見たのか?

  

当時録画したかどうか調べてみました。

録画していませんでした。

そうだよなあ、全く覚えがないもんな。

  

DVDで販売はしているようです。

10480円。

悩むところ。

  

  

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