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2024年1月25日 (木)

本「ムンジャクンジュは毛虫じゃない」校舎がアパート?

   

今日は令和6年1月25日。

  

この本を読みました。

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「ムンジャクンジュは毛虫じゃない」

(岡田淳著/偕成社)

  

岡田淳さんの処女作を読みました。

引用します。

  

オリーブ荘は、丘のおおい山上町でも北よりの丘の上に立っていた。

オリーブ色のペンキがはげかけた二階だてのアパートで、見たとこ

ろ、学校か役場のような感じだった。それもそのはず、この建物は

もと中学校の校舎だったのだ。

(10p)

  

これはビックリ。元校舎がアパート!

これはなかなか思いつかないことです。

どんな間取りなのだろう。

こんな記述がありました。

  

オリーブ荘は丘の上に東西にのびていて、一、二階あわせて八家族が

住んでいる。建物は、中央南がわにげんかんがあり、その左てまえに、

屋根より高く大きなケヤキがそびえている。

げんかんをはいると右に受付だったまど口がある。ここは管理人の岡

さんのへやだ。まど口のまえをとおりぬけると、東西にろうかがのび

ている。東がわに岡さんのへや、そのおくが佐藤さんの夫婦、西がわ

は二階へいく階段、克彦のへや、そのおくにお年よりの井上さん夫婦

とつづいている。

稔のへやは二階で、克彦のへやのちょうどま上だ。そのおくは加藤さ

んのおじいさん。反対がわの管理人の岡さんの上は、谷さんのおばあ

さんがひとり住んでいて、良枝の家族はそのむこう、つまり二階の東

おくのへやだった。

一、二階ともろうかのつきあたりはとびらで、二階のとびらは非常階

段に出るためのものだが、いずれもふだんはしめられている。

もと校舎だけにゆったりとした中央の階段は、とちゅうにおどり場が

あり、おれまがっておりかえしている。二階のろうかからは、さらに

五段ほどの階段が、 おどり場のま上の小べやにつづいている。この小

べやの物置が、克彦と稔のかくれ家だった。

(11〜12p)

  

東西に横に長い建物。突き当たりには扉があって、そこを開けると

非常階段。まさに校舎ですね。

ただ教室が部屋になっているわけで、

どのように改造されているのかなと思います。

  

この本は、原稿用紙300枚だったのが、

出版社の編集者から200枚にしなさいと言われたもの。

参考:ここでも道草 本「わすれものの森」 岡田淳さんの本 今年も読むぞ(2024年1月11日投稿)

その編集者が、巻末の解説を書いておられました。

偕成社の相原法則(あいはらほうそく)さんです。

ユニークなお名前です。

その方の文章を引用します。

  

この「ムンジャクンジュは毛虫じゃない』は、1979年(昭和54)

八月、岡田淳さんの最初の単行本として、偕成社から刊行されまし

た。 四百字詰め原稿用紙で二二〇枚という長さは、小学 中級~上

級向きのものとしては、当時でもちょっと長い作品でした。いまの

岡田さんなら、きっともっと短くお書きになられることでしょう。

(222p)

  

この相原さんが見出したおかげで、

私は岡田淳さんの本が読めるのですね。

この文章を見ると、まだ短くしたかった気持ちが出ています。

確かに、少し長いかなと思いました。

原本は、どんな感じだったのだろう。

  

どんな展開になるんだろうと想像して読むのが面白かったです。

空を飛ぶのは意外でした。

他にも意外が多く、それが良かったです。

毛虫なのに、肌触りが良く、いい匂いもする。

これも最後のシーンを読んだら、なるほどです。

  

今年2冊目の岡田淳さんの本でした。

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