「忘れる読書」/本全体の10%が残るぐらいがちょうどいい
今日は令和5年4月22日。
この本を読みました。
「忘れる読書」(落合陽一著/PHP新書)
難解な本だったけど、不思議と最後まで読めました。
タイトルが気になりました。
読んでも、忘れていってしまう読書。
それを肯定してくれる本なのかなと勝手に想像して読みました。
「本を読んでもなかなか知識が身につかない」という悩みを聞くこ
とがあります。読書した内容を逐一頭に入れ込んでいかなければ、
思い込んでいる人は、意外と多いように感じます。でも、ウェブで
調べれば十分な知識は、記憶しておかなくてもいいと私は思ってい
ます。必要な時にその都度、調べればいいからです。
これからの時代、クリエイティブであるための知的技術は、読後に
自分の中に残った知識や考えをざっくりと頭に入れ、「フックがか
かった状態」にしておくことです。何となくリンクがついた状態で
頭の中を「検索すれば」わかるからです。
(54p)
ここでいう「フックがかかった状態」がよくわかりません。
なんとなく覚えて置けということかな。
いつか、これって昔読んだことがあるぞと思って、
頭を探った時に、浮かび上がってくるのかな。
う~ん、難しいと思うけど。
忘れていくことによって、クリエイティブな発想ができるというこ
となのでしょう。
だから私はあえて、読書ノートやメモを取ったりはしません。論文
を読む時であれば、重要な箇所にマーカーで印をつけることはある
し、論文並みに専門的な本を読んでいて覚えておきたいフレーズが
出てきた時に線を引くことは稀にあります。ただ、一般的な本を読
んで、意識的に線を引くというような習慣は全くありません。
私自身は昔から、本は気楽に読んで一度は忘れるということを繰り
返してきました。今ではむしろ、「忘れっぽい」ことが強みだと思
うようにしています。本全体の10%くらいが頭に残るぐらいでち
ょうどいい、というのが私の感覚です。
(55p)
この10%も残らない時があるのです。
その10%を残したいがために、こうやって視写しています。
だから学生に論文の読み方を指導する際も、「覚えることより忘れ
る能力が大切」とよく言っています。読んだ内容を細かく思い出せ
るうちは、単に著者の主張が頭の中でリピートしているだけで、そ
れは自分の頭の中に「入った」とは言えないからです。
(56p)
ここでちょっとわかった気がします。
覚えているだけでは、自分の血肉になったわけではないのです。
著者の文章を介して、自分の考えが浮かんだら、
血肉になったということです。
それなりに本を読んできましたが、
本当に自分のプラスになっているのか。
でも興味のある本は読んでみたい気持ちはあります。
半信半疑で、これからも読んでいくことになると思います。
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