「スイート・ホーム」③ 恋心を文章で表現すると・・・
今日は令和4年10月18日。
前々記事に引き続き、
「スイート・ホーム」(原田マハ著/ポプラ文庫)
より。
「いただきます」
(辰野君は)ひと口、食べる。たちまち、ぱあっと、春の光に照らさ
れたような笑顔になった。
ことこと、ことん、と私の胸の中で、やっぱり何かが忙しく動いた。
動き始めて、もう、止まらなくなった。
(92p)
「いらっしゃい、未来先生。辰野君がお待ちかねですよ」
ドアを開けてお店に入ると、ショーケースの向こうから、陽皆ちゃん
が声をかけた。
「あ、そう。もう来てるんや」と私は、できるだけ平然として応える。
実は、胸の中では、ポップコーンが弾けるみたいに、ぱちぱちとにぎ
やかに何かがはぜている。
(93p)
辰野君のことが気になってしまった未来先生の胸中。
恋をするとこんな感じになるんだよね。
うまく表現するなあと思いました。
箱の中からは、焼きたてのアーモンドのフィナンシェが現れた。それ
を各人のお皿に載せると、ジャムの瓶に入ったオレンジソースをとろ
りとかけた。さらに、香ばしくローストしたアーモンドスライスを散
らす。
(114p)
ケーキ屋「スイート・ホーム」がどの話にも必ず出てきます。
したがって、ケーキの専門用語が出てきます。
「フィナンシェ」ってどんなだ?
それを知らなければ、小説を十分に味わった気になれません。
調べました。
写真のようなお菓子なんですね。
もっとケーキみたいなものを想像していました。
次のスイーツも不明でした。
デザートの段になって、思いがけないサプライズがあった。
サービススタッフが運んできたデザートのお皿を見て、私は、目を丸
くした。
お皿に載せられていたのは、小さな「クロカンブッシュ」だったのだ。
小振りのシュークリームを山型に重ねて、飴で固めたスイーツ。とき
どき、「スイーツ・ホーム」にも依頼がきて、お父さんが特別に作っ
ているから、よく知っている。
そうーーーこれは、フランスのウェディング・ケース・・・・!
(156p)
「クロカンブッシュ」とは?
調べました。
なるほど、文章どおりでした。
小振りのシュークリームを山型に重ねて、飴で固めたスイーツ。
これがテーブルに運ばれてきたら、目立つよなと思いました。
こんなの初めて見ました。
私の人生の中では、登場しませんでした。
いや、今日、登場しました。
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