「アドリブ」① ラヴェルの「ダフネスとクロエ」第2組曲
今日は令和4年8月25日
この本を読みました。
「アドリブ」(佐藤まどか著/あすなろ書房)
アマゾンの本紹介には次のように書いてありました。
第60回日本児童文学者協会賞・第6回日本児童ペン賞少年小説賞受賞、
厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に認定! 悩みながら成
長していく少年を描いた青春音楽小説。
イタリア、トスカーナの小さな町に暮らす少年、ユージ。 フルートと
の電撃的な出会いから5年、 ユージは岐路に立たされていた。 本気で
めざしても、プロになれるのはひと握り。 クラシック音楽界のきびし
さを目の当たりにした、15歳のユージの決断とは……?
佐藤まどかさんのあとがきを読むと、
娘さんがフルートに興味をもち、9年間、
主人公のユージと同じく音楽院でフルートの練習に励んでいます。
その時の母親としての体験が、この小説の元になったようです。
佐藤まどかさんの小説は「スネークダンス」に続いて2冊目ですが、
ともにイタリア在住が長い体験が生きている小説だと思います。
主人公は、ともにイタリア生まれの少年です。両親は日本人です。
不思議と、父親が登場しません。
「スネークダンス」ではひき逃げで事故死していました。
「アドリブ」では、離婚して父親は日本に戻っています。
父親がストーリーに絡まないのは、何か理由があるのかなと勘繰ります。
引用していきます。
主人公のユージが、フルートの音と出合い、うっとりする場面。
ぼくはパンフレットを見た。曲はラヴェルの『ダフネスとクロエ』の
第二組曲第三部(夜明け)(無言劇)(全員の踊り)だった。
(28p)
特に(無言劇)がフルートがメインパートとのこと。
主人公のユージが、フルートを始めることになる曲です。
クラシックについて疎い私ですが、
主人公の感性を引きつけたその曲を実際に聴いてみたいと思いました。
YouTube: Daphnis et Chloé Suite No.2 / Joseph-Maurice Ravel バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲 龍谷大学吹奏楽部
ここで、「ダフネスとクロエ」第2組曲を聴くことができました。
動画の7分頃から、フルートが中心になります。
そこが(無言劇)なのかと思いました。
このフルートの音がユージの心をつかんだのですね。
小説をより深く味わえた気がします。
佐藤さんは、この曲について2ページ半文章で表現しています。
その文章を読みながら、この曲を聴くのもよかったです。
明日、引用してみようかな。
今晩は寝ます。
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