「ももちゃんのピアノ」① ももちゃんを感動させた『銀波』を聴く
今日は令和4年6月21日。
この本を読みました。
「ももちゃんのピアノ 沖縄戦 ひめゆり学徒の物語」
(柴田昌平文/阿部結絵/ポプラ社)
いきなりですが、「あとがき」から引用します。
僕が「ももちゃん」とはじめて出会ったのは2004年ーー与那覇
百子(よなはももこ)さんが76歳になって埼玉県から沖縄にもど
ってすぐのことでした。そのころ、僕はひめゆり学園から戦争に行
き、生きのこった人たちの体験を映像で記録する仕事をしていまし
た。21人の方がたの証言を記録したあと、最後に与那覇百子さん
の戦争体験をインタビュー記録し、2006年に長編ドキュメンタ
リー映画『ひめゆり』として完成させたのです。
この映画『ひめゆり』の完成後も、僕はひめゆりのみなさんの人生
の記録を続けました。とくに、戦争中のことだけでなく、生まれ育
ったときのこと、そして戦争が終わったあとのことを中心に、たく
さんの話をききました。
この本は、その記録をもとに書いたものです。
(185p)
この文にある通り、ももちゃんの小学生の時からのお話です。もも
ちゃんはピアノが大好きでした。でも家でピアノを買ってもらえる
余裕はありませんでした。ももちゃんは、紙に鍵盤の絵を描いて、
それを机の上に置いて練習をしました。次の日、小学校に登校して、
オルガンで音を出して楽しんでいました。
12歳になった時に、ひめゆり学園での音楽発表会の客席に座るこ
とができました。男の先生がピアノで弾いた曲に、ももちゃんは感
動します。ももちゃんは、あのピアノで弾いてみたいと思います。
勉強嫌いだったももちゃんですが、ひめゆり学園に入学するために、
猛烈に勉強を始めます。そして難関を突破して合格をするのです。
入学して、すぐにピアノに触れることができませんでしたが、音楽
の東風平(こちんだ)先生の協力もあって、念願のピアノを弾くこ
とができました。
しかし、時は戦争の時代。中国との戦争が終わらぬうちに、アメリ
カやイギリスと戦争を始めた日本。その沖縄。ももちゃんたちは、
戦争の悲惨な体験をしていきます。
ももちゃんを感動させたピアノ曲が気になります。
さあっと風が流れるような音色。水面(みなも)がきらきらっとか
がやくような装飾音。
なめらかに動く指の間から、しずくがあふれ出てくるように、いく
つもの小さな音がつらなります。
ももちゃんには、音のつぶたちが鍵盤の上でみずみずしくきらめい
ているように感じられました。
ーーーこんな美しい曲、これまできいたことがないわ。何という曲
かしら?
プログラムに目をこらすと、『銀波(ぎんぱ)』とかかれていまし
た。
アメリカの作曲家がつくったピアノ変奏曲で、光が波にはねかえっ
て、きらきらとかがやくようすを表現した曲でした。
(40~41p)
ありがたい事です。その曲を聴くことができました。
挿絵もとってもいい。
(40~41p)
この曲を聴くと、当時のももちゃんに共感できます。
ももちゃんの胸はドキドキしたんだろうなと想像できます。
この物語にさらに入り込めた体験ができました。
この本についてはまだ書いていきます。
いい本です。
小学校や中学校の図書館にぜひ入れたい本ですね。
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