「地球温暖化狂騒曲」② CO2増加は途上国・先進国を問わず享受できる
今日は令和3年12月29日。
前記事に引き続き、
「『地球温暖化』狂騒曲 社会を壊す空騒ぎ」
(渡辺正著/丸善出版)より引用します。
温暖化関係のテレビ番組やニュースでは、汚い煙を吐く発電所や工
場の煙突とか、白っぽい排ガスを出すクルマの後尾をよく予告ふう
に流す。メディアは「CO2=悪」のイメージを伝えたいのだろうが、
見るたびに笑ってしまう。小学生でも知っているとおり、CO2は目
に見えない気体なのだから。
(11p)
CO2=悪のイメージはだいぶ刷り込まれているなと感じます。
でも冷静に考えれば、CO2が有効なことがあるんだよなあ。
太陽エネルギーを使ってCO2から有機物をつくる光合成生物は、
35億年ほど前に生れたという。光合成のしくみは、地球環境を一
新する最後の大発明だった。以後あらゆる生物が、CO2のおかげで
進化と繁栄をつづけてきた。
(12p)
これは基本中の基本。
CO2のおかげで植物は進化と繁栄を為してきて、
その植物に寄生して人類も繫栄してきました。
CO2=悪では申し訳ないです。
身近な植物たちは、4~5億年前にたまたま上陸した緑藻(りょく
そう)が、いまよりずっと高いCO2濃度のもとで進化・分化しなが
ら栄えた生物の子孫だといわれる。直近の一億年(図1.2の右端
あたり)に注目すると、その期間ずっと植物は、CO2の減少という
「環境悪化」に耐えてきた。
だから過去200年間に及ぶCO2濃度の上昇は、植物にとって願っ
てもない恵みだった。植物にとっての恵みは、もちろん生態系と人
間社会にとっての恵みにもなる。
(15p)
この文章を引用したとなると、図1.2も転載したくなります。
CO2が増えることに何の問題もない、という説は、
武田邦彦さんの本でも見ました。
草本類を対象に、ハウス内のCO2濃度を変えながら収量(重量)の
変化をみた栽培試験は5000例を超す。CO2濃度を高めるほど枝
分かれが増え、葉の数と厚みも増し、根がよく張って、花も実も増
える(だからハウス栽培では、何かを燃やすかCO2ボンベを開けて
ハウス内のCO2濃度を1000~1500ppmに上げ、増収をは
かる)
(16p)
こういう農家の人たちから見ると、世間のCO2=悪は不思議な状態に
見えることだろう。でも口にできない?
農業に及ぼすCO2の恵みをまとめる形で、先ほども触れたウィット
ワ―が1995年の本にこう書いた。
耕地や水、エネルギー、鉱物、養分といった天然資源の枯渇が心配
な現在。大気にじわじわ増えるCO2は、植物を元気にして食糧生産
を増やす貴重な天然資源だといえよう。タナボタの恵みだといって
よい。しかもその恵みは、途上国・先進国を問わず享受できる。
(20p)
CO2の増加は世界的に見てもいいことなんだ。
産業革命の開始から現在まで、大気にCO2が増えるおかげで、地球
の植生(森林と草地)は重さがほぼ倍増したという。この数十年、
熱帯雨林も加速度的に増えている。
1970年からつづく衛星観測結果を述べた論文はたくさんあって、
そのどれも地球の緑化を語る。論文の一つを2016年4月、北京
大学の朱(チュー)再春ほか31名(8か国・24機関)が『ネイ
チャー・クライメート・チェンジ』誌に発表した。1982~20
12年の33年間にわたる観測の結果は次のようだという。
①33年間に地球全体で植物の量は10パーセントほど増えた。
②植生がある場所ののうち25~50%で緑が増えた(減った場所
は4%だけ)。サハラ砂漠の南部(サヘル地域)やシベリア、ア
マゾン流域の緑化がとくに激しい。
③緑が増えた場所の総面積(1800万平方キロメートル)は米国
本土の二倍を超す。
④緑を増やした要因のうち、大気に増えるCO2がほぼ七割と推定さ
れる。
私たちが化石燃料を燃やして大気に出すCO2は、お返しに計り知れ
ない恵みをくれるのだ。その事実こそメディアは報じてほしいし、
学校でも教えてほしい。
(21p)
「学校でも教えてほしい」が印象に残ります。
CO2=悪とは限らないのだよ。
世界の緑を増やしているんだよと教えることは、
生徒の多角的な考え方に寄与すると思います。
サヘル地域の緑が増えているなんて、いいことではありませんか。
現実をみるかぎり、CO2の増加も穏やかな気温上昇も、植物を活気
づける。地球の緑化を進めて食糧も増やし、8億~10億といわれ
る飢餓人口を減らすのに貢献してきた。いま私たちは奇跡の時代を
生きている。
(22p)
こう高らかに言えない雰囲気があります。
時代の空気に迎合して儲けたい人々の思惑だろう。エコカーやエコ
家電、エコ住宅などを製造・販売する経済活動が典型になる。民間
のメディアも経済活動の網にからめとられているため、新聞やテレ
ビは大スポンサーに忖度し、「CO2排出を減らして環境を守ろう」
と、本来の意味なら「反エコロジー」の表現を使う。
(24p)
世の中が一度CO2=悪のイメージで動き出してしまっているので、
逆の流れが相当難しくなっていると思います。
つづく
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