「永遠に許されざる者」② 標的機が垂直尾翼を破壊した
今日は令和3年9月5日。
前記事に引き続き
「永遠に許されざる者」(小田周二著/文芸社)
より特に印象に残った文章を引用します。
垂直尾翼を壊滅的に破壊するには、飛行物体は相当に高速(例えば、
マッハ2~5程度)で、重量も1000kg(1トン)程度が必要である。
123便の飛行空域にそのような飛行物体が飛来し、垂直尾翼に衝突
することなどあり得るのだろうか。
この衝突が何であったのかを期せずして告白・証言した人物がいる。
当時の航空自衛隊百里基地司令官である。
航空自衛隊百里基地の稲吉司令官は、戦時中の軍隊で同期だった友
人(岩田祐次郎氏、青島海軍航空隊吉津会会員)に電話でこう語っ
ている。
「えらいことをした。標的機を民間機(日航機)に当ててしまった。
今、百里基地から偵察機(F4E改造機)2機(式地豊二尉ほか)に追
尾させているところだ」
同司令官は「事故だ」との感覚で気楽に友人に話したのだろう。
(39p)
この証言が真実なら、その後の出来事も真実になっていくと思います。
重大な証言だと思います。
標的機がどのようなものかも、この本には説明がありました。
(戦闘機の)命中精度を高める実践的な訓練のために採用されるのが
「無人曳航(えいこう)標的機」である。無人標的機は遠隔誘導、操
縦される先端部のロケットに似た形状の機体部分と、その後尾に付く
長い曳航索(ワイヤー)、と曳航索先端に取り付けられた標的すなわ
ち「吹き流し」部からなる。(中略)
この標的機は、金属のワイヤーの曳航索で標的である「吹き流し」部
を引っ張る。曳航索は通常3000mもの長さになると言われる。それは
機体と標的(吹き流し)の距離をあけることにより、重要な機体部分
の誤射を防ぐという配慮である。
(47p)
著者の小田さんは、日航機に標的機が衝突して垂直尾翼を破壊し、
吹き流しが日航機の胴体に貼りついたと推測しています。
特に2014年8月12日に放映されたフジテレビの特別番組では、「日航
123便は横田基地への着陸を目指したが、その前面に『風』と『雷雲』
が立ち塞がり、123便はその飛行方向を急遽変えて、西方向に飛行し
た」と説明している。
この「風」と「雷雲」という障害物は比喩であり、暗に123便が抗(あ
らが)いようのない妨害行為に直面したことを示唆する表現である。
(61p)
横田基地から着陸許可は下りていたにも関わらず、
自衛隊は、吹き流しを貼りつけたまま着陸することを良しとせず、
着陸禁止命令を出したと著者の小田さんは考えています。
123便の飛行ルート図を見ると、
確かに横田基地を目指していることがよくわかります。
今まで123便は操縦不能に陥って、さまよっていたイメージでしたが、
青山透子さんの著書からも、そしてこの本からも、
123便は操縦ができていて最善のコースを飛んでいたと感じます。
フジテレビもその説で番組を発表していたのですね。
横田基地に着陸できないと諦めた機長が、
次に目指したのは、群馬県の広大なレタス畑だったと
著者の小田さんは考えています。
つづく
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