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2021年6月22日 (火)

道草がひとつ終了 番画〈287〉:映画「すばらしき世界」を見ました

     

今日は令和3年6月22日。

     

道草がひとつ終了しました。

    

なぜ読む気になったのかは忘れましたが、

西川美和さんの本「スクリーンが待っている」を読みました。

西川さんは映画監督です。

原作を再現できない映画の限界を語っていました。

それが新鮮でした。

   

西川さんは最近作品を制作しました。

原作に惚れたことがきっかけの映画です。

その原作が佐木隆三さんの「身分帳」でした。

読みたくなって、読みました。

   

そうなると映画が見たくなります。

映画館に行く余裕がないので、

何とかネットで見ることができないかと調べました。

ビックリ!

調べた前日の6月18日からネットで

見ることができるようになっていました。

   

そして今晩、映画「すばらしき世界」を見終えました。

 

道草は繋がるから面白い。

ひとつのものを見ると次が見たくなります。

そしてまた次のものが見たくなります。

 

道草がひとつ終了したと書きましたが、

きっと時間を空けてまた続くと思います。

西川監督作品を見るとか、佐木隆三さんの小説を読むとか・・・

こういう道草が、昔から好きなんだよなあ。

    

番画扱いで映画について書きます。

   

〈287〉映画「すばらしき世界」(2021年)

  (アマゾンプライムビデオで視聴)

   

〇映画には限界があると承知している監督の作品だと思って見た。

 その気持ちがあったためか、原作から省略したところとか、

 改変したところなどが、監督の工夫だととらえている自分がいた。

 好意的に見てしまった。

〇原作では、主人公に関心を示すが、本気の喧嘩を見せられて、

 姿を消したジャーナリストの角田だったが、

 映画では、姿を消さずに踏みとどまって、

 主人公と最も濃密に付き合う角田になっていた。

 この人物に目をつけた西川監督が楽しい。

〇主人公がラストで死んでしまいます。

 おそらく映画をいきなり見た人は、この死は唐突と思えたでしょう。

 でもモデルになった人は、出所して再び刑務所に戻ることなく

 4年8カ月を生き抜いたのに脳出血で亡くなっているのです。

 それも、自分のことが書かれた「身分帳」が出版された年に。

 生き方が世間からも肯定的に見られるようになるかもしれない時に。

 娑婆でどうにかまともに生活ができるようになった時に。

 実際も唐突だったのです。

 だから映画の死は必然でした。

〇映画を最初に見た人は、映画では描き切れなかったところを

 小説で読むといいと思う。

 2時間余りでは描けないところがあるのは当然。

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