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2020年12月14日 (月)

「天使のゲーム 上」②/視線の威力?

   

今日は令和2年12月14日。

  

前記事に引き続き、

「天使のゲーム 上」

(カルロス・ルイス・サフォン著/木村裕美訳/集英社文庫)より。

  

  

ぼくも彼にあいさつを返した。助手席には、娘のクリスティーナがす

わっている。透けるような肌、筆で描いたような形のいいくちびる、

ぼくより一、二歳年上で、以前ビダルにビジャ・エリウスに招(よ)

んでもらったとき、ひと目で、ぼくの心を奪ってしまった女性(ひと)

だ。

「そんなにみつめてばかりいたら、彼女、こわれてしまうな」ビダル

がぼくの背後でつぶやいた。

(40p)

   

視線の威力ってどれくらいあるのだろう?

時々思います。

   

   

雨がちの、鉛のようにどんよりしたあの季節に、ぼくは『大いなる遺

産』を九回つづけて読みかえした。ひとつには、ほかに読む本が手も

とになかったこと、もうひとつには、これ以上のすごい本があるとは

思えなかったからだ。

(61p)

  

確かに、次を(次も)期待して新しい本を開きます。

次の本を期待させないような、すごい本には出合っていません。

  

  

「文学はね、すくなくとも、すぐれた文学は、芸術の血が入った科学

なんだ。建築とか、音楽もそうだけど」

(356p)

  

著者のサフォンは、文学というか読書を愛していた人だと思います。

「風の影」を読み、「天使のゲーム」を上巻まで読んで、

そう感じる箇所がいくつかあります。

読書は、人に影響を与える物体なのだと言っているように聞こえます。

  

  

ここまで

  

   

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