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2020年7月25日 (土)

「崩壊するアメリカの公教育」② 癖を見抜き、生かすことができる教師  

  

今日は令和2年7月25日。

  

前記事に引き続き、

「崩壊するアメリカの公教育 日本への警告」

(鈴木大裕著/岩波書店)より引用します。

 

 日本で中学校の教員をしていた時、私自身も「制服の乱れは心の

乱れ」として生徒指導に取り組んだ。些細な乱れを許すことが、次

第に大きな乱れを呼ぶ原因になることも経験した。ただ真の目的は、

制服や言動に表れる些細な乱れから生徒の心の乱れに気づき、その

生徒に必要な心のサポートを与えることだ。決して生徒の服装の乱

れを正すことではない。些細な規律の取り締まりだけを強化し、生

徒の内面的なニーズを無視し続けたら、彼らに不信感を植え付ける

だけで問題の解決にはならない。

(82p)

  

「心のサポート」が目的なのに、なかなかそこまでいかない。

いかなかった。

でも今なら。

少人数の担任であるなら少しでもできるかも。

そう思っています。

  

 

 自殺や引きこもりをする人が後を絶たない日本において、今最も

求められているのは、すでに病んでいる社会のニーズに合った人間

を育てることや、「一億総活躍」の号令の下に「戦後最大のGDP

600兆円」を目指して、人々をグローバル・スタンダードに合わ

せて最適化させることではなく、子どもそれぞれの特性を生かし紡

ぎ合わせることで唯一無二の国づくりをするという発想の転換では

ないだろうか。そして、日本の教育に求められているのは、子ども

一人ひとりの癖を見抜き、生かすことのできる「プロ」の教師を育

成することなのではないだろうか。

(117p)

  

「特性」とすると構えてしまいますが

「癖」となるとわかりやすいです。

「癖」レベルのこだわりならば気づきやすいです。

そこからその子を伸ばす。

それならできるかもしれない。

  

  

 アメリカにとってのシカゴがそうであったように、アメリカが世

界における新自由主義抵抗運動のグラウンド・ゼロなのかもしれな

い。アメリカにおける新自由主義は日本と比べて歴史も古く、遥か

に成熟している。その反面、それに反対する市民らの抵抗運動とい

う点でも目を見張るものがあり、この数年、アメリカ社会の潮流が

少しずつ変わってきているのを私は肌で感じてきた。

(134p)

   

この本の2/3は、アメリカ公教育の荒廃について書かれていましたが、

1/3は抵抗運動について書いてありました。

抵抗運動にも歴史があり、それは学ぶべきことだと思いました。

  

  

 27年のキャリアを持つニューヨークのある教師は、辞意表明の中で、

教育現場ではいかに想像力、学問の自由、教師の自律性、試行錯誤のイ

ノベーションなどが失われ、教育がつまらないものになっているかを綴

り、(中略)コロラド州のある教師は辞意表明の中で、「今の教育シス

テムは、子どもたちが自分たちのユニークな才能を見つける手助けをす

るのではなく、彼らの足りない部分を見つけて罰している」と・・(後略)

(140~141p)

  

  

  

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