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2020年5月 1日 (金)

「安倍官邸VSNHK」③ 近畿財務局管財部上席国有財産管理官のA氏

  

今日は令和2年5月1日。

  

前記事に引き続いて

「安倍官邸VSNHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」

(相澤冬樹著/文芸春秋)より引用します。

  

 森友事件の発覚から1年あまりすぎた2018年(平成30年)

3月2日朝。朝日新聞が決定的な特ダネを出した。

「財務省が森友の国有地取引関連の公文書を改ざんした疑いがある」

 破壊力満点の大特ダネだ。財務省は大揺れだろうが、我々も大騒

動だ。これだけの特ダネ、後追いはマストだが、どうやって後追い

する?

(194p)

 

「マスト」?

そうか英語のmustからきていて、

「しなければいけないこと」という意味ですね。

  

 そのころ再び、衝撃の事実が発覚した。「近畿財務局職員が自殺」

亡くなったのは(2018年)3月7日。改ざん発覚の5日後。そ

してこの事実が明らかになったのは、その2日後の3月9日だった。

(196~197p)

  

自殺したのが赤木俊夫さんです。

この本ではA氏として語られています。

  

 亡くなったのは、近畿財務局管財部上席国有財産管理官のA氏。

まさに森友学園の国有地売買交渉にあたっていた担当者の一人だ。

神戸市内の自宅で命を絶ち、兵庫県警が捜査の結果、自殺と断定し

た。

 いったいどういう人なのか?彼の死と国有地売買、公文書改ざん

は何か関連があるのか?A上席の死について取材を進めるため、地

元神戸や大阪、関西各局、さらに東京社会部も加わって、取材チー

ムが作られた。その取材により、我々はA上席について次のような

ことを知った。

・2015年7月の異動で管財部の上席国有財産管理官となり、国

有地の購入に関する様々な申し入れや陳情、クレームを処理してい

た。ときに掟破りの申し入れがあるが、「いちいち耳を貸す訳には

いかない」と公平さを大切にしていた。2016年(平成28年)

から森友学園の土地払い下げの案件を担当していた。経験豊富で手

堅く、周囲から信頼されていた。

・上席というポジションは、本省からの指示と現場の摺り合わせを

行うことが求められる役職。本省の指示が現場の実情にあわなかっ

たり法律解釈が少し間違っていたりしても、そのまま飲む人が多い

中、A上席は「それはおかしい」「自分はこう思う」と意見する、

役所では珍しい人だった。上司も煙たがりつつも、仕事はしっかり

こなすので一目置いていた。それでも、一旦組織が決定したことは

受け入れてしっかり守る、至極まっとうな行政マンだった。

・声が大きく明朗な性格で、疑問に答えてもらおうと笑顔でお礼を

言う、気持ちのいい人。いわゆる開けっぴろげなキャラクターで、

自殺と聞いても全く想像できない。

・半年前から”心身耗弱(こうじゃく)”とのことで休職していた。

森友事件が発覚して以降、東京との板挟みで相当苦労しており、追

い込まれていた。

  

 そして、さらに取材を進める中で、我々は次のような重要情報を

得た。

  

・3月2日の朝日新聞の「改ざん」報道を受け、3月6日に、休職

中のA上席が近畿財務局に呼び出された。実際に庁舎内で彼の姿を

見かけた人がいる。そして翌7日、A氏は自ら命を絶った。

 

 精神的な問題で休職しているのに、A上席はなぜ呼び出されたの

か?役所では誰とどういう話をしたのか?何か指示されたのか?責

任感が強かったというA上席。改ざんのしわ寄せで精神的に追い込

まれて休職し、さらには死に追い込まれたのではないのか?これは

必ず解明して、彼の無念を晴らさねばならない。

(197~198p) 

  

  

赤木さんの奥さんは、この本を読んで、

相澤さんに赤木さんの手記を手渡したと聞いています。

納得です。  

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