「君が地球を守る必要は・・・」⑥ 食料も水も本当は足りているのに・・・・
今日は令和2年2月2日。
前記事の続きで、
「君が地球を守る必要はありません」
(武田邦彦著/河出書房新社)より
引用していきます。
筆者が10年ほど前にある発展途上国の国立大学の副学長に会
って、大学に施設を見学させてもらった。その大学の研究所は
「どうしたら石油を使って大量生産するか」という目的を持っ
たものばかりだった。そこで筆者が「日本は大量生産を進めた
結果、資源が無くなったり環境が悪くなるのではないかと心配
されています。このまま発展しても良いのでしょうか」と質問
したら、「私たちも日本人と同じ人間です。日本人の生活レベ
ルは一度、経験したいと思います」と言われてグーの音もでな
かった。
その時、筆者も傲慢になったものだと反省しきりだった。日米
や欧米の先進国がやりたい放題やって、環境を破壊し、石油が
枯渇しようとしている。だからといって、これから豊かになり
たいと思っている国に、「私たちが汚したので、セーブしてく
ださい」と言うのはあまりに身勝手なのは当然だ。
しかも世界の多くの国がまだ発展の途上にあって、人口で言え
ば5分の4の人たちが、「これまで植民地として圧迫され、そ
ろそろ発展しようと努力している人たち」だから、日本が石油
を節約したり、節約を呼びかけてもどうにもならないのは当然
だ。もし、節約を呼びかけられる資格があるとしたら、日本や
ヨーロッパではなく、発展途上国の人たちだろう。その人たち
に、「私たちは豊かな生活をあきらめるから石油を節約しよう
ではないか」と言われたら、その時には協力しなければならな
いかも知れない。
(180~181p)
10年前に発刊した本です。当時より石油の枯渇は
あまり問題になっていないように思えます。
今はとにかく温暖化です。気候変動です。
二酸化炭素を出さないようにしようと呼びかけられています。
しかし、その点で、武田教授の10年目の意見は同じです。
そして再びこの記事 ☟ に載せた論文
「日本は石炭火力で多くの人々の命を救える」を
再読したくなりました。
※ここでも道草 石炭火力を考える/石炭火力の勉強を始める(2019年12月28日投稿)
まずは発展途上国で、簡単に消えていく命を救わねばと
あらためて思います。次の文章も同趣旨です。
世界には約60億人の人がいて、そのうちの5分の1が先進国、
5分の4が発展途上国で、5分の4の人の収入は日本人の10
分の1ぐらいと覚えておけば良いと思う。つまり日本人から見
ると、生活が苦しい人が世界の80%もいて、日本に住んでい
るのは奇跡に近いとも言えるのだ。
貧しい人にとって、もっとも怖いのは「食べるものが手に入ら
ない」ということで、事実、アジアやアフリカを中心として8
億人の人が飢えていると国連は報告している。
それでも、もし世界中で収穫しているなら、環境問題というよ
り人類の生存に関わる重要な問題だが、実は、「8億人も飢餓
の人がいて、1年に東京の人口よりも多い1500万人が餓死
している」のに、世界全体の穀類生産高は人間の食糧として使
われる分は20億トンで、1人あたり300キログラムを超え
ている。つまり、本当は、「世界全体の人が十分な食事を楽し
めるだけの穀類が採れているのに、8億人の人が飢えている」
というまったく理解が出来ないことが起こっているのだ。
その理由の第一は、「昔は食料をわけたのに、今ではお金で買
うから」ということだ。
(中略)
お金持ちがたくさんの食料を買いこんで、その一部だけを食べ
て残りを捨てる。そうすると、全体としては食料が足りていて
も、お金持ちが余分に買って捨ててしまうから、貧しい人はひ
もじい思いをする。これが現在、世界全体の人が飢えないよう
な量の食料が採れているのに、8億人も飢餓の人がいる理由な
のだ。
(205~207p)
今年1月1日放映の「NHKスペシャル 10YearAfter
未来への分岐点」という番組で、淡水についても同じことを
言っていたことを思いだしました。
食料も水も足りているはずなのに、
不足で苦しむのが現状なのです。
水不足に関する本も読んでみたいとこの番組で思いました。
最後の引用。
今後は是非、テレビの情報を鵜呑みにするのではなく、学校で
習ったことを使って自分で考える習慣をつけてもらいたいと思
う。
(204p)
読書もテレビ視聴も大事な勉強。
鵜呑みにしないためには、勉強を続け、発信し続け、
人の意見は聴き、できることは実行に移していくことかな。
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