教育先進国と日本の違い①負担は家庭か国か
今日は令和元年11月15日。
昨日、11月14日放映の「羽鳥慎一モーニングショー」で、
教育に関する対談があり、それがとてもよかったです。
玉川徹さんと玉川大学大学院田坂広志名誉教授との対談です。
聞き書きします。
玉川:教育に関して日本が先進国と言えるのかどうか。
率直に日本は教育に関して先進国ですか?
田坂:いやあ、先進国とは残念ながら言えないですね。
さらに大きな変化が、社会全体にやってくる。
さらに教育先進国ですら、また新たなチャレンジを
しなければいけない時代になっているにもかかわらず、
日本はまだ1周目遅れを追いつこうとしている状態
なんですね。さらに2周遅れになりそうな状態だと
いうことが気になるんです。
玉川:新しい時代とはどういう時代が来るんですか?
田坂:人工知能のいわゆる革命が始まっているわけですよね。
これから人工知能革命、もう少し大きくいうと第4次
産業革命というのがやってくると、教育の根本的な目標が
変わってくると、人間として持ちうる能力の極めて高度な
能力じゃないとこれからの人材、本当に社会に貢献できると
言えないということまで、危機感を持っているわけですね。
ここでグラフが示されました。
日本の場合、イギリス・アメリカよりも、人工知能やロボット等による
代替え可能性が高い労働人口の割合が多いです。
田坂:日本の教育というのは、単に遅れているというよりも、
また新たな大きな変化に向かっての相当な改革をしないと、
極めて厳しい時代がくると思います。
玉川:いわゆる教育先進国といわれる国は、そういうことは
分っているんですか。
田坂:分かっていますね。私、ダボス会議、世界経済フォーラムの
メンバーでもあったんですけれども、何年もこのテーマで議論
してきて、OECDの参加国も当然参加しています。
いわゆる教育先進国の識者もみんな集まっています。
玉川:例えばどこなんですかね、教育先進国とは?
田坂:例えばフィンランド、スウェーデン、ノルウェーなど、
北欧諸国の教育というのは、私は非常に参考にすべきだ
と思います。
玉川:教育先進国といわれる国は、日本と何が違うんですか?
田坂:私は3つだと思います。
玉川:3つの違い。
田坂:まず1番目。家庭か国かという根本的な違いがあるんですね。
教育にかかわるお金をいったい誰が負担するんだと、言葉を
変えれば、子どもたちの学力というものを、しっかりと
ある水準まで高めてあげるというのは、誰の責任なんだと。
この部分が根本的に違うんですね。
玉川:違うんですか?
田坂:違うんです。例えば北欧などでは、子どもの教育は大学卒業
まで無償ですよね。でも日本の場合にはご存知のように、
家庭が貧しいとそれだけの理由で大学に行けない。
それぞれの家庭の経済的な事情に合わせた教育を受けさせたら
どうですか、という文化が存在しているわけですよね。
玉川:だって、現職の文部科学大臣が「身の丈に合った勉強を
すればいい」というようなことを言ってしまう国ですからね。
田坂:そうですね。教育にかかるお金というのは、いったい家庭が
負担するのか、国が負担するのかという一点で、根本的な考え方を
変えなければいけない。
ここで次のグラフが提示されました。
日本では高い教育を受けようとすれば、負担が大きくなります。
田坂:北欧はご存知のように、最初から国民の教育水準の高さこそが、
国の戦略だと思っているんですね。だからそういう意味では、
国民の中でごく一握りのエリートだけが育てばいいという
考え方はしていないんですね。国民全体が非常に優れた
学力を持つ、人間としての能力を持つことが、この国の未来を開く
と思っています。
田川:では2つ目というのは何ですか?
2つ目は次の記事にします。
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