「朝焼けのピンネシリ」/ニシン御殿 徳孤ならず、かならず・・・・
今日は令和元年10月13日。
前投稿に引き続き、本「朝焼けのピンネシリ~
新十津川物語5~」(川村たかし著/偕成社)より。
雪がゆるむころは、ニシンがおくりこまれてくる。
ニシンは春をつげる魚でもあった。
(59p)
「朝焼けのピンネシリ」の中では、北海道で行われていた
ニシン漁のことが何度か描かれています。
豊漁なら大儲け、不漁なら借金を抱える。
そんな博打のような漁のように表現されていました。
儲けた人たちが建てた家は、ニシン御殿と呼ばれました。
1985年の1~3月に北海道を旅した時に、
ホタテで儲けた人たちのホタテ御殿に泊まった体験があります。
その時に、かつてはニシン御殿があったと聞いていました。
調べてみました。
ここから引用します。
第二次世界大戦、とりわけ大戦景気(大正4~9年)
までの時期に、北海道の日本海沿岸で隆盛を極めた
ニシン漁で財を成した網元達が、
競って造った木造建築物である。
今でも残っているそうです。
中崎フキの長男、庄作のつぶやきです。
「徳孤(とくこ)ならず、かならず隣りありだな。
ええことは連れもてやってくるもんな。ほんとうだな。」
(73p)
聞き慣れない故事成語です。
調べました。
「徳孤ならず、かならず隣りあり」
こうやって読書をしたからこそ、出合った言葉だと思います。
テレビ番組中心の生活では、まず出合えないでしょう。
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