突然、「物語」が終わるのは無念だと思う
今日は令和元年9月10日。
前投稿に引き続き「日本一心を揺るがす新聞の社説2」
(水谷もりひと著/ごま書房新社)から引用します。
(前略)
先日、(『特ダネ!』の司会の)小倉(智昭)さんは、
オープニングトークでポール・ポッツのことを話題にしていた。
まず紹介されたのはイギリス版「スター誕生」ともいうべき
オーデション番組の予選審査の映像だった。
「携帯電話のセールスをしているポール・ポッツです」
と司会者から紹介されて出てきたポールは
ちょっとくたびれた服に、
とてもビジュアル系とは言えないルックス。
「何を披露してくれるの?」という審査員の言葉に、
「オペラです」と自信なさそうに答えた。
そのとき、「はぁ?オペラ?その顔で?」と言いたげな
一人の審査員の表情が映し出された。
「じゃぁ、とにかく歌ってみて」と言ったのは、
激辛審査員として有名なプロデューサーの
サイモン・コーウェル氏。
そしてポールは口を大きく開けて歌い出した。
前歯が一本欠けていた。
ところがその美しい歌声に3人の審査員も
会場の観客も度肝を抜かれた。
歌が中盤に差し掛かると会場から
割れんばかりの歓声が上がった。
(中略)
子どもの頃、彼はいじめられっ子だった。
「なぜいじめられたのかなぁ。僕が少し変だったからかな」
と語るポール。いじめられたせいで自分に
自信を持てないまま大人になった。
しかし、彼はこう語る。
「声だけは味方だった。
歌っているときだけ堂々としていられた」
予選を通過したポールは、次のステージで最終審査に
進出する5組に選ばれ、そして見事優勝。
審査員のコーウェル氏が最後にこう言って
会場を驚かせた。
「ポール、来週、デビューアルバムのレコーディングをするぞ」
一夜にして人生が変わった。
「携帯電話のセールスマンからオペラ界の大スターに」という
ドラマチックなサクセスストーリーは、今世界中で
一大センセーションを巻き起こしている。
もちろん、彼に優るとも劣らないアーティストは
オペラ界にごまんといる。
きっと彼に魅了された人たちは彼の歌声を買っている以上に、
彼の「物語」を買っているのだと思う。
(中略)
人も物もみんな「物語」を持っている。
それがその人の、その物の、魅力なのだ。
(84~87p)
YouTube: 自信を持って/ポール・ポッツ (日本語字幕つき)
この文章を読んで、心に浮かんだことを書きます。
少しずれるかな。お許しを。
人生、いろいろなことがあります。
それらは全て物語だと思いたいですね。
実は偶然や奇跡は地味に起こっていて、
それが今の自分です。
そしてまだ物語が続きます。
どのような話になるか楽しみです。
起こってほしくない偶然は、突然命を落とすこと。
突然、物語が終わることは無念だと思います。
交通事故死をゼロにすると宣言した自動車会社の社長。
賛成です。
「もう十分だ」と思いつつ、ゆっくり死にたい。
自分だけじゃない。
みんながそうなってほしいなあと、最近はよく思います。
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