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2019年8月28日 (水)

「二ホンGO!」その2/「人、二人説」の根拠

  

今日は令和元年8月28日。

  

前投稿に引き続き、2010年5月20日放映の

みんなでニホンGO!」より。

  

番組スタッフは盛岡市で調査します。

  

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財団法人新渡戸基金の藤井茂さんが、

次のように言っています。

 

藤井:新渡戸は漢字をよく使った。本の中にですね。

  漢字をよく分解して説明しています。

  わかりやすく説明しようとして、

  漢字を分解することは多かった。

  

そして「人」については、

著書「世渡り道」に下記のように書いてあったそうです。☟

  

人といふ字は、二本の棒より成り、

短い方が長い方を支へてゐる。

両者は支へつ、支へられつして、

人といふ字を構成してゐる

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ここに、「人、二人説」の根拠がありました。

新渡戸稲造の説を、金八先生が現代に広めたことになります。

しかし、新渡戸は同じ著書で次のように書いています。

 

この説文(せつぶん)が学術上果(は)たして

當(とう)を得たものであるとは信じ難いけれども

  

どうやら新渡戸稲造は、漢字を分解して、

言いたいことを伝えることを好んだようです。

ただし、学術上の根拠があったわけではないのです。

明治大学の齋藤孝教授は次のように言っています。

  

新渡戸さんは漢字の語源よりも、生徒たち人々に

一番大切なことを伝えようとしたと思います。

漢字の成り立ちを通じて「これが一番生きる上で、

大切なこと」なんだよと、漢字のひとつの例として

話されたと思います。

  

そのほかの漢字分解の例として「」が紹介されました。

著書「武士道」の中で、新渡戸は次のように書いています。

  

「武」という字は「強さ」「勇ましさ」を表す漢字であるが、

戈(ほこ)」を「止(とど)むる」と書く。

つまり「武」の究極の姿は「争いを避けること」にある。

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これは新渡戸稲造の考え方による分解・解釈です。

実際は・・・京都大学大学院の阿辻哲次教授によると、

「止(まる)」の部分は、もともと人間の足跡を

かたどった文字であり、進軍する、行進する、

歩くという意味だそうです。

つまり「武」の正しい成り立ちは、

「止」で争いを避けるのではなく、

戈」をもって進軍することだったのです。

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以上の話を知って、私は新渡戸稲造さんとの距離が

近くなったような気がしました。

頭が柔軟な人だったんだなあと思いました。

  

9年前の番組「みんなで二ホンGO!」のこと、

まだまだ書きます。

 

つづく

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