「10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!」その2/保護者の皆さんに望むこと
今日は3月17日。
前投稿に続いて
「10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!」
(ニキリンコ、藤家寛子他著/花風社) から引用。
いい文章だったので、たっぷり引用します。
ニキ·リンコが保護者の皆様に望むこと
ニキリンコ:自閉っ子のまわりの大人は、自分のお楽しみも
追求してほしいです。それは大人の役目ですよ。
大人が幸せそうにしていないと、子どもは大人になるのが
怖くなっちゃいます。私たちの脳みそは情報の集め方が偏ってるし、
中には私みたいに、ただでさえ心配ごとをこさえやすい
タイプの子もいる。だからこそお父様お母様は幸せな顔を
見せてほしい。ときには子ども預けて映画見に行ったり、
お取り寄せしたお菓子を、子どもにはちょっとしか分けずに
おいしそうに食べたり。そういう姿を見せてほしいですね。
私は不器用で、家庭科の手芸がつらかったんです。でも母が昔、
頒布(はんぷ)会で手芸キットを買ってたことを知っていた。
「頒布会の支払いが~」って言ってるのも聞いた記憶があるおかげで、
「ママはお金を払ってまでやりたかったんだ」と思うことができた。
私にはつらいけど、趣味でやる人もいる以上、
「罰でやらされているわけじゃない」とわかったんです。
あ、これは趣味なんだ!とわかるかわからないかで全然違う。
自分は体育が苦手でも、わざわざ誘い合って
スポーツをやりに行っている大人がいるのを見聞きすると、
「体育は罰じゃない」ってわかるんです。
浅見:周囲の大人が、まず幸せな大人になるのが、
自閉っ子支援の第1歩というところですかね。
ニキリンコ:ただ楽しむだけじゃなく、しつこく実況中継まで
した方がいいです。自分の興味に気を取られてるときは、
ごそっと見のがすから効き目が出ない。現状はつらくても、
幸せになろうとしてることを実況中継。試行錯誤を実況中継。
うまく行って楽しいときも実況中継。
鈍い子ども、よそ見してる子どもにも、
「お母さんは幸せなんだ」ってわかるように。
幸せ\不幸せは固定じゃなくて、山あり谷ありなんだってわかるように。
浅見:そうか。それは大事なことですね。
(302~303p)
藤家さんが当事者の皆さんへのメッセージとして
次のようなことを言っていました。
私が発達障害を抱えていても、社会に溶け込めたのは、
何のおかげだろうと考えた時一番強みだったのは、
マナーをきちんと習得していたことだと思うんです。
うちは、お行儀に厳しくて(ちょっと行き過ぎだったと思いますが)、
マナーをしっかりと叩き込まれました。
こう言うと、すごく難しいこと知っているように
勘違いされてしまうのですが、些細なことです。
あるべき時に、あるべき行動を取れるかどうか、そういうことが、
社会に出た時に、とても大切になってきます。
別に、社交界で通用するようなマナーをに身につけろと
言っているわけではありません。最低限ののルールでいいんです。
挨拶はきちんとするとか、目上の人には敬語を使うとか。(中略)
仕事する能力とか,要領のよさとかは、いざ働き出せば身につくものです。
(304~305p)
やはりマナーは大事ですね。
説得力があります。
以上で「10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!」からの
引用を終了。
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