「キャプテンシー」からの引用/「それが自分の長所なんだ」
今日は8月5日。
「キャプテンシー」(鳥谷敬著/角川新書)より。
言われたことは、どんなことでもまず試してみる。
明確にプロを意識するようになってからの僕は、
ずっとそういう考え方でやってきた。
「自分の型はこれだ」と、それだけをずっと続けていると、
見えなくなることがある。
ほんとうは変えたほうがいいはずなのに、
「これが自分のスタイルだから」と凝り固まっていては、
周囲のアドバイスも聞けなくなるし、
もっとよくなる可能性を自らつぶしてしまうことになる。
(中略)
もし「いいな」と思ったら、
自分に合うようにアレンジすればいい。
それは自分の知らなかった可能性を広げることになる。
結果が出なかったり、自分には向いていないと感じたりしたら、
やめればいいだけのこと。
それはしなくてもいいことをひとつ減らしたという意味で
進歩だと言える。 (64p)
鳥谷選手にとって、元中日の谷沢健一さんのアドバイスを聞いて、
打ち方を変えたのが、プロへ行けた理由だと書いています。
高校でも大学でも、僕は決して飛び抜けた選手ではなかった。
バッティングだけならもっと打つ選手はいたし、
ピッチャーとしても僕よりコントロールのいい選手はいた。
走るのも「いちばん」ではなかった。
「いちばん」というものはひとつもなく、すべてが二番目、
三番目くらいという選手だった。
そういう選手は、つまりすべてが平均点より少し上という選手は、
プロとしては使いにくいと言われる。
「何かひとつ秀でるものがないと、プロとしては通用しない」と・・・。
じつは、僕自身、そのことがずっとコンプレックスだった。
なにをとってもいちばんになれない。
投げても打っても走っても守っても、必ず誰かに負ける。(中略)
でも、いまはこう思っている。
「それが自分の長所なんだ」
だからこそ、プロとしてずっと試合に出られているのだと。
いくら打球を遠くに飛ばしても、足が遅ければ大事なところで
代走を出されてしまう。
逆に、足が速くても全然打てなかったらレギュラーにはなれない。
いくら打てても守備がダメな選手は終盤、守備固めで代えられるし、
守備の名手であってもバッティングに難があったら、
やはりチャンスには代打を出されてしまう。
僕の場合は、そういうことがない。
たしかに僕には飛び抜けた部分がない。
ないけれども、穴もない。
だからこそ、途中で代えられることがないし、
試合に出場し続けられる。
昔はコンプレックスだったことが、今では最強の武器となっている。
(89~91p)
「コンプレックス」だったことを「長所」にする。
見習いたい発想です。
自分はまだ昇華できていない「コンプレックス」を抱えています。
つづく
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