ポン菓子じゃなくてドン!菓子
今日は8月6日。
8月3日の施設見学会のこと。
就労移行支援事業や就労継続支援事業を行っている施設では、
3階の部屋で最初に施設の説明を聞きました。
その時です!
「ドン!」と大きな音がして、建物が揺れました。
何が起こったんだ?と焦りましたが、
施設の人たちはあわてません。
「(驚かせて)すみません。ポン菓子をつくっています」
と簡単に説明してくれました。
そうかこれがポン菓子の音か!大きな音だ。
ポン菓子じゃなくて「ドン!菓子」だと思いました。
説明を受けた後に、2階のポン菓子を作っている場所を見学しました。
その時の写真です。
これが大きな音をたてた、ポン菓子製造器です。
はたしてどうやって使うのだろうと疑問に思いました。
そんな疑問を解消してくれた本があります。
薬局で見かけて、図書館で借りた本です。
「イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑」(原書房)
ここでも道草 消えた職業・これから消える職業(2016年7月23日投稿)
さらにこんな記述がありました。
ポン菓子は穀類膨張機という機械に米などを入れて作る。
圧力釜のバルブをハンマーで叩き一気に減圧すると、
大きな爆発音とともにふわふわの米菓子ができる。
この音から「ポン菓子」「ドン菓子」と呼ぶ。 (114p)
目を疑いました。「ドン菓子」?
やっぱりあの音を体験すると、「ポン菓子」ではしょぼい。
やっぱり「ドン菓子」ですよ。
そして実際にその呼び名が存在しました。
うれしかった。
動画でも見られるよなと思って探しました。
でもそのほとんどが屋外で作っていました。
私が味わったあの音は、室内ならではのものがあったと思います。
部屋の中で音が反響し、建物が揺れました。
屋外でそれがないために、期待したほど「ドン」とはなっていません。
でもどうやって作られるのかもよくわかります↓
「イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑」には、
興味深いことがたくさん書いてありました。
引用します。
ポン菓子がもっとも人気があったのが、
大正から昭和の中頃にかけてで、
お菓子屋は小型の穀類膨張機を持って、
公園などで子供たちに菓子作りを実演して売った。
物資がとぼしかったので、子供たちは自ら米や砂糖を持っていき、
ポン菓子屋に作ってもらっていた。 (114p)
どういうこと?材料が子ども持ち?
ポン菓子屋はもうかったのかな?
機械の中に米、玄米、大豆、とうもろこしなどの穀物を入れると、
圧力で十気圧になる。
この力で米は十二倍に膨れ上がる。
圧力釜のバルブをハンマーで叩いて減圧すると、爆発音がする。
この音に対する驚きが子供たちに人気の秘密でもあった。 (114p)
十気圧でギュッと締めておいて、
急速に減圧することではじけさせると考えていいのかな。
特に興味深いのは次の引用。
もともとポン菓子は第一次世界大戦に
ドイツ兵が空腹に悩まされていたので、
栄養を補うべく作られた菓子であった。
大砲の使えなくなった筒を使って、
穀類を膨張させる機械にして菓子を作り食べさせたのが始まりである。
そのため大正から昭和初期にかけて使われた機械は
鋳物で作られたドイツ製の機械でした。 (114p)
ねえ、面白いでしょ。
使えなくなった大砲を使って戦場で作られたのが、
そのはじめだったのです。
ワクワクして読みました。
このはじまりを知ると、ますます「ポン菓子」ではなくて
「ドン!菓子」だと思いました。
ポン菓子の話は次の投稿につづきます。
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