絵本「フェルジナンドの物語」を知る・借りる・読む
今日は8月22日。
8月6日にBSで放映されたドラマ「戦艦武蔵」
このドラマで気になったのは、武蔵沈没後の生存乗組員のこと。
沈没は1944年10月。
2400名の乗組員のうち1300名が救助されましたが、
フィリピンのコレヒドール島に移されました。
それは隔離状態だったようです。
快復したものは、激戦地に送られ、多くの人が戦死しました。
武蔵沈没という戦意喪失する情報を隠したいという判断があった?
この辺りのことはまた調べてみたい。
現時点では次のサイトを読んでみました。
※意外な戦史を語る 戦艦武蔵の最期(20)彼らはどこにも所属しなかった。人の目から隔離された。
生存者の声は重たい。
たとえば次の証言は、生々しい。
この人が語らなければ埋もれてしまう話だと思いました↓
武蔵沈没で生き残った乗組員の上官が、部下に
絵本「フェルジナンドの物語」を語って聞かせる場面がありました。
上官は英文科出身で、この絵本を暗記していました。
あらすじは次のサイトから引用します。
むかし、スペインに、フェルジナンドという名の子ウシがいました。
ほかの子ウシたちは、あばれまわっているのに、
フェルジナンドは、いつも、草の上にすわって、
静かに花のにおいをかいでいるのがすきでした。
お母さんウシが 「おまえは、さみしくはないのか」 と心配しても
「ぼくは、こうしているのがすきなんだ」 と答えます。
だから、お母さんウシも、フェルジナンドの
すきなようにさせてやることにします。
やがて、大きくなった子ウシたちは、
強い闘牛になるのを夢見るようになりました。
でも、フェルジナンドだけは、やはり、
静かに花のにおいをかいでいました。
しかし、闘牛場へつれていかれることになってしまいます。
フェルジナンドが、草にとまっていたハチの上にこしをおろして、
そのハチにさされ、あまりの痛さにとびはねているところを、
ちょうど強いウシをさがしにきていた闘牛士に見つけられて、
猛牛にまちがえられてしまったのです。
ところが、いよいよ闘牛場へひきだされたフェルジナンドは
闘おうとしません。
闘牛を見にきた女の人たちが頭につけている花を見つけると、
すわりこんでしまったのです。
がっかりしたのは闘牛士たち。
こうしてフェルジナンドは、ふたたび、もとの牧場へ……。
他の牛は闘牛に選ばれたがった。
But not Ferdinand
でもフェルジナンドは違った。
闘牛場で、他の牛は闘牛士と闘いました。
But not Ferdinand
でもフェルジナンドは違った。
上官役の吉沢悠さんの語りは素晴らしく聞き惚れました。
そして何度もこのセリフが登場します。
「But not Ferdinand
でもフェルジナンドは違った。」
牛のフェルジナンドは、闘わずに好きなことをし生き延びました。
しかし、兵士である上官は、戦いたくないのに戦って、
今、死を迎えようとします。
「私もフェルジナンドになりたい」
と言って、部下に手紙を託す上官。
そこには「But not Ferdinand」
この絵本に俄然興味を持ちました。
図書館で借りてきました。
訳本のタイトルは「はなのすきなうし」でした。
洋書もあったので借りてきました。
ドラマで出てきた本です。
この本は反戦の本なのでしょうか?
作者のマンロー・リーフはアメリカ人です。スペイン人ではなかった。
1905年~1976年。
米国の児童文学作家,絵本作家。メリーランド州ハミルトン生まれ。
ハーバード大学卒業後、教師を経て出版社に入社。
1934年、鉛筆書きのコミック風のさし絵をつけた
「文法はおもしろい」で作家として出発。
’36年に出版した「はなのすきなうし」で好評を得たほか、
同書はアメリカの絵本の古典の一つになる。
作品は他に「おっとあぶない」(’38年)、
「けんこうだいいち」(’43年)などがある。 引用:コトバンク
次のサイトにはこう書いてありました。
※旅と映画とB級グルメ とちょっと本のブログ 絵本の傑作『花のすきなうし』 バルセロナのオムレツ
この本は、1936年スペイン内戦の年に出版されたため、
フェルディナンドの存在は、
いろいろ政治的に解釈されることがあったそうです。
スペインの歴史を見ましても、
この戦争は今でもスペインにいろいろな影を、
落としていますしピカソのゲルニカのように、
あきらかに反戦を意識してつくられたものもありますので、
全く無関係というわけではないと思われます。
ただし、作者のマンロ・リーフは、
「フェルディナンドが花の匂いをかいで戦わないのは、
よい趣味をもち、またすぐれた個性に恵まれていたからだ」
といっているそうです。(岩波書店はさみこみリーフレットより)
ドラマ「戦艦武蔵」は、武蔵どっぷりではなくて、
脚本家の趣味が散りばめられた面が見受けられます。
イギリスのバンド「ワンダイレクション」(2010年結成)が
ストーリー中にも出てくるし、
ドラマ最後は曲が流れ、歌詞までが出てきます。
ドラマに関係ある歌詞なのかと思って見たけど・・・・
しっくりきませんでした。
脚本家の趣味なの?そう思えてしまいました。
曲自体は好きな曲でした。
YouTube: Long Way Down - One Direction Lyric Video
「フェルジナンドの物語」も、
この本を紹介したいという気持ちが感じられてしまいます。
戦艦武蔵の話から浮いてしまっています。
でも私はこの本を知れてうれしかったです。
ドラマ「戦艦武蔵」は9月3日にNHK総合で放映されるそうです。
戦艦武蔵の沈没の様子、生き残った乗組員の運命など
歴史がズッシリと感じられます。
吉沢悠さんが語る「フェルジナンドの物語」もぜひ。
素敵なブログです。
戦艦大和しか詳しくなかったです。
投稿: | 2016年9月14日 (水) 11:17
「フェルジナンドの物語」を知れてよかった番組です。
ブログへのお褒めの言葉をありがとうございます。
また名前(ペンネーム)を教えてくださいね。
投稿: いっぱい道草 | 2016年9月14日 (水) 21:51