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2016年8月12日 (金)

「きのこ雲の下で何が起きていたのか」その6/フラッシュバーン

 

今日は8月12日。

  

 

昨日の投稿に引き続き、昨年の8月6日放映の

「NHKスペシャル きのこ雲の下で何が起きていたのか」

の聞き書きをしていきます。

  

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ナレーター:原子爆弾はその年だけで

  14万人以上の命を奪いました。

  多くはやけどによるものでした。

  やけどをもたらした熱線。

  爆心地付近の地表温度は、3000℃以上となり、

  鉄をも溶かしました。

  御幸橋の写真には、熱線による原爆特有のやけどが

  写っていることがわかってきました。

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  女性の顔は黒ずみ、目や口の周りが腫れ上がっています。

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  この人の手のひらは、大きく腫れていることがわかります。

  日本熱傷学会の元理事、原田輝一医師に、

  医学的に分析してもらいました。  

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  原田医師が特に注目したのは、この女性と見られる人。

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  破れた服のようなものが、実は肩から垂れ下がる皮膚だと言います。

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原田医師:ここで見えるのは、でこぼこの皮膚ですので、

  かなり深いところで比較的短時間に

  皮膚がパッとはがれてきたということでしょうね。

  通常の生活をしているなかで起こりえる熱傷ではないですね。

   

ナレーター:通常では起こりえないやけどだとい原田医師。

  根拠として示したのが、戦後まもなく書かれたアメリカの論文でした。

  アメリカは、広島に原爆を投下した後、

  深刻なやけどが発生したことに気づき、

  密かに研究を行っていました。

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  その結果報告されたのが、フラッシュバーンと呼ばれる

  特殊なやけどでした。

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  女性のやけども、フラッシュバーンだったのではないか、

  原田医師が推定したメカニズムです。  

  強烈な熱線が当たると、皮膚に含まれる水分が、

  一瞬で水蒸気になります。

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  水蒸気で膨らんだ皮膚は、裂けて垂れ下がります。

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  これが原爆特有のフラッシュバーンです。

  この時、激しい痛みに襲われます。

  表皮と真皮でできている皮膚に、痛みを感じる痛覚神経が

  はりめぐらされています。

  フラッシュバーンによって、痛覚神経がむき出しになっていたのです。

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Rimg9714 ↑熱線を浴びた

Rimg9716 ↑水蒸気ができる

Rimg9717 ↑表皮がはがれる

Rimg9718 ↑痛覚神経がむき出しになる

  

原田医師:相当痛いと思いますね。

  痛覚神経というのは、皮膚の中の真皮層を通ってきて、

  真皮層はどこの層でもけがをすると痛いですね。

  ですから、その傷全てが深く神経を刺激していると思いますから、

  おそらく人間が感じる痛みの中で、

  最大の痛みを感じてたんではないかなと思いますね。

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皮が裂けて垂れ下がるというのは、このような仕組みだったのですね。

酷いことです。

「人間の感じる痛みの中で最大な痛み」

想像を絶します。 つづく。

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