「PL学園最強世代」からの引用その5.伊藤敬司さんから学ぶこと
今日は2月6日。
前投稿に引き続き、
「PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って」
(伊藤敬司・矢崎良一著/講談社)からの引用です。
弟の康人も言う。
「兄貴の今の姿を見ていたら、限られた命とか、与えられた人生とか、
そういう思いは自然に強くなりますよ。
だから僕も仕事で、周りに一生懸命やらないヤツとかもいるじゃないですか。
そういうヤツを見ると、イラッとします。
仕事したくても出来ない、這って行ってでも仕事がしたいって人もおるのに。
何事も一生懸命やらないかんな、と思いますよね。」 (272p)
この本を読んで、伊藤敬司さんから何を学ぶか。
ここにあるあるように、病気になってない今の自分を幸せだと気づき、
一生懸命に生きることをする。まずはこのことだと思う。
敬司が愛してやまない母校PL学園の野球部は、
現在、存続が危ぶまれながらも必死に踏ん張っている。
コーチとして後輩たちを支えているのが、
同期の中の一人、深瀬猛だ。
深瀬は「敬司の本のために」と、立浪、片岡、野村、橋本に声を掛け、
スケジュール調整を頼み、実現したのが口絵の写真だった。
そのとき深瀬は同じ場所にいながら、
「俺は立場が違うから」と一緒に写真に収まることもなく
黒子に徹していた。(273p)
この本の最初に、この写真があります。
駆けつけた同級生の元プロ野球選手たちだけでなく、
もう一人の同級生が関係していたのですね。
敬司はブログにこんなことを書いたことがある。
〈この世の中には、様々な人々が、いろんなものを抱えて生きている。
私の場合は、ALSという病気だ。
病気を通じて、いろいろなことを学ぶことが出来た。
いちばん感じるのは、心を込めて介護をしてくれる皆さんの暖かさ。
逆に、面倒くさそうにあしらわれた時の寂しさも教えてくれた。
人間にとっていちばん辛いことが、
存在することを煩わしく思われることだということも学んだ。
これからも、いろいろなことを学ばせてくれるだろう。
自分自身、健康であった時、後者のような態度を取っていたのかもしれない・・・。
その人たちに謝りたい。ごめんなさい。
そして、頑張って行こう。〉 (274~275p)
けっこうヘルパーに厳しいことを言っていた伊藤さん。
伊藤さん自身も自分の過去を反省していました。
人間、なかなか理想的には生きれません。
重たい病気にかかって初めて気がつくこともあるのです。
伊藤さんが体験して気がついたことを、
こうやって本を読んで私たちも学ぶことができます。
伊藤さんはこう書いています。
いつのことだったか、テレビの報道番組で、
ある女性のALS患者の特集が組まれていた。
その方は、取材に対して常に笑顔で対応されていた。
同じ病気の者として、なかなか出来ることではないと思った。
その方は、まだ私のように全身の麻痺が進行しておらず、
食事も口から食べており、喋ることも出来ている。
(中略)
その方は、「病気で悩むことはありますか?」という質問に対し、
こんなふうに答えておられた。
「不思議とないんです」
そして、こう笑顔で言った。
「他の家族がなるよりも、私でよかった」
その言葉は強く印象に残った。
自分に問い掛けてみたら、私も同じことを思ったからだ。
同病の人と、直接会うような機会はなかなかなかったので、
こうした番組を見られてよかった。
笑顔で病気と向き合う姿に感動し、共感も覚えた。
私がこうした本を残すことも、
誰かに同じように勇気を与えたいという気持ちからだ。
そして、その人は、こうも言っていた。
「私には間に合わないかもしれませんが、
いつの日か治療方法が見つかり、難病でなくなる日が来ることを願っている」
私も同じ気持ちだ。 (284~285p)
このような絶望的な病気に見舞われても、
必死に生きていた伊藤さんから学ぶべきことは、
やっぱりここに書いてあることだと思います。
今の自分の現状を嘆くことなく、勇気をもって頑張ろうということでしょう。
次は何に取り組む!
以上で「PL学園最強世代」からの引用を終了。
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