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2015年3月30日 (月)

「当用漢字」「常用漢字」の歴史

  

今日は3月30日。

  

前投稿のつづき。

池上彰さんの番組で2月9日に放映されたものです。

池上彰 が伝えたいこと 実はみんな知らない日本

そして生放送で『イスラム国』問題」より。

  

当用漢字・常用漢字についての説明です。

  

太平洋戦争が終わり、占領国のアメリカが、

日本の教育を改革すべく教育使節団を日本に送り込んできました。

  

その時に無茶な要求が日本人になされました。

日本人は漢字、ひらがな、カタカナという3種類の言葉を覚えることが大変で、

科学的な発想法、科学の勉強をする暇がなかったのではないか。

だから日本は戦争に負けたんだ。

こんなたくさんの言葉を覚えるのはやめて、

アルファベット26文字を覚えるようにしたら便利。

なので、日本語をアルファベット表記にしなさいという提案がありました。

笑ちゃいますが、占領国の立場で来ると、こんな提案をしてしまうのですね。

上から目線です。

  

では当時の日本はどう対応したか?

さすがにアルファベット表記にするわけにはいかないので、

とりあえず当面用いる漢字というのを作って、

漢字を継続して使うことにしました。

これが「当用漢字」です。

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いずれ漢字はなくしますけど、当面使う漢字ということだったのです。

1946年のことでした。

「当用漢字」は1981年に常用漢字が登場するまで使われました。

Rimg0929  

私が学生で教えてもらっていた漢字は、

当面用いる漢字だったのですね。

まだ終戦の影響が残っていたのです。

  

  

1981年に日本の漢字の方針が変わりました。

池上さんはこう言っています。

 

「いやいや日本はやっぱり、漢字をこれからも使っていくよ。

当面用いる漢字ではなく、常に用いる漢字にしましょうと言って、

常用漢字に指定しました。」

「これは小学校・中学校の義務教育の時に、

おおよその文字が読めたり書けたりするようにしましょうという基準として、

この文字が作られました。」

Rimg0930   

  

その後常用漢字は2010年に改定されて、2136字になりました。

義務教育だけでなく高校の漢字教育の基準になっています。

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常用漢字は公用文書や新聞雑誌などで使う漢字の目安にもなりました。

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前投稿で「竣工式」ではなくて「完工式」なのは、

「峻」が常用漢字にないからです。

常用漢字に入っていない文字を使う時には、

ひらがなにするか、漢字で書いた場合はルビを振るようになりました。

  

  

番組ではこんな例が挙げられていました。

「ら致」「破たん」「お辞儀」

なるほど。

  

  

常用漢字は2010年に追加されました。

Rimg0933  

これらの漢字を見ると、え、この漢字、常用漢字じゃなかったの?

という字もあります。

県名に関わる次の漢字もそうです。

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今をときめく「嵐」も常用漢字ではありませんでした。

池上さんは言います。

  

「ひょっとすると、嵐が人気になって、

みんなが知るようになったから、(常用漢字に)入れようということに

なったかもしれません」「わからないけどね」

 

嵐のデビューは1999年。

SMAPよりも上に行くと関係者が言っていたけど、本当かなと思っていました。

予言は当たりました。人気では上を行っていますね。

25794432 デビューまもない頃の嵐  

(つづく)

   

 

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