手塚治虫さんはテレビ・映画から情報をインプットしていた
今日は1月15日。
11月12日放映の「ザ・プロファイラー~夢と野望の人生」で扱われたのは、
漫画家の手塚治虫さんでした。
1時間丸ごと良かったのですが、ここではその中の一部を記録しておきます。
キーワード「欲ばり」で、番組は手塚治虫さんの生き方に迫っていました。
手塚治虫さんが生涯に書いた原稿の枚数は15万ページ。
現代の売れっ子漫画家でも毎年1000枚だそうです。
つまり15万枚書くには、150年かかるというわけです。
手塚治虫さんは、仕事を断らずに、すごい勢いでマンガを書いたそうです。
普通の人の速さの3~4倍の速さです。
番組では浦沢直樹さんが登場して、貴重な話をしています。
手塚治虫さんが中学生の時に書いた昆虫の精密な絵や、
医学生時代に書いた細胞組織のやはり精密な断面図が紹介され、
ゲストで感想を言おうとした時に、最初にこう言います。
浦沢:僕が思う感じでは、今、この状態を、手塚先生は、こういう感じ(状態)にしたかった。
岡田准一(司会):見られるというのを想定した感じ?
浦沢:そう。あの図鑑にしても、「どうだ図鑑みたいだろう」
「すごい」とみんなが驚く。それを見たかったんじゃないかなあ。
みんなに「すごい」と言わせたいためにやっている。
自分の行動でもそういうことあるよな。
でも自分からは言えないところ。その気持ちはあっても隠したいところ。
でも十分活動のエネルギーになります。
番組の中盤。こんな場面がありました。
次々にヒット作を生み出していく裏には、
マンガのもとになる大量の取り込みも必要だった。
手塚の仕事では、常にテレビがつけっぱなし。
時々チャンネルを変え、
その瞬間に目にした画面をヒントに、
壮大な長編が生まれたこともあったという。
また子どもの頃から好きだった映画は、
仕事を抜け出して見に行き、
年間365本、1日に6本も見たこともあった。
手塚は、そんな映画からもアイデアをどんどん取り込んでいく。
SFマンガ「キャプテンKen」に登場するキャラクターのアセチレンランプは、
西部劇映画のバート・ランカスターのスタイルがモデルになっている。
また同様に、キャラクターのハムエッグは、俳優のピーター・ローレ。
スカンク草井は、リチャード・ウィドマークなど、
映画からキャラクターのヒントを得ていたのだ。
さまざまな情報を常にインプットしていた手塚には、
アイデアが尽きることはなかったという。
「アイデアだけは、バーゲンセールしたいくらいあるんだ」
映像から情報をインプットして、アイデアを生み出す。
この手法を手塚治虫さんがやられていたことは、私にはとても心強い。
自分のやり方は間違っていないと、太鼓判を押された気持ちです。
いいぞいいぞ。
もう一つ、浦沢さんの話。
嫉妬心で、後進の漫画家にひどいことをしてしまった手塚治虫さんについて
語る場面です。
嫉妬心は創作の源ですよね。
ガソリンみたいなものですね。
あの~、僕なんかもそうですけど、素晴らしい作品、
マンガでも映画でも、舞台でも、いろいろなものを見ると、
何で自分が思いつかなかったんだろうってまず思う。
「よし、ならば」「自分も書くぞ」となる。
そういうのは、やっぱり大きいと思いますよ、創作には。
本当にいいこと言いますね。
嫉妬心も大事。でもこれも表に出せない感情。
その辺りを、浦沢さんは語ってきます。
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