3回目の下見2/酸素に触れずに化石になった
今日は7月12日。
「生命の海科学館」の3回目の下見で勉強になったことを書いていきます。
前投稿のつづきです。
カンブリア紀の化石がたくさんある、
カナダのバージェス頁岩(けつがん)動物群について。
なぜここにカンブリア紀の化石がたくさん出土するのか?
今は標高2000m以上の所にありますが、
かつては海の中でした。そこには巨大な崖がそびえ立っていました。
以下、「まんがNHKスペシャル 生命 40億年はるかな旅(第1巻)」(小学館)
から絵の写真を載せ、文の引用をします。
↑切り立った崖の下。
ここにも当時生きものたちが住んでいたと考えられています。
この崖で、ある日突然大規模な土砂崩れが起きたのです。
↑大量の土砂が一気に海の底に降り注ぎました。
偶然に起きたこの大異変によって、
生きものたちは逃げる間もなく一瞬のうちに
土砂に埋まってしまったのです。
学芸員さんに教わったこと。
頁岩はとても粒子が細かいために、ぎっしりと生き物を包んでしまい、
酸素が生き物に触れることを遮ったそうです。
酸素があると、腐食が始まってしまうために、化石として残りません。
バージェス頁岩動物群では、生き物の固いところだけでなく、
やわらかいところも化石として残っていて、条件が良かったことを示しています。
「一瞬のうちに土砂に埋まってしまった」のは、
酸素に触れないことにとっては大事なことなのです。
学芸員さんに「カンブリア大爆発」がなぜ起きたのか尋ねました。
学芸員さんは「酸素」の量の変化を言われました。
カンブリア紀より以前は、大気中の酸素の量が非常に乏しく、
生き物は海の中でしか生存できませんでした。
それも、有害な紫外線が降り注ぐために、海底深くが生存場所でした。
カンブリア紀になって、大気上空にオゾン層ができて紫外線がカットされるようになりました。
大気中の酸素濃度も上がりました。
紫外線が弱まり、大気の酸素濃度が上がったため、
生き物は海の浅い部分でも生活できるようになってきました。
そこは温度が高く、生き物たちは活発に活動するようになってきました。
生存場所の拡大によって、生き物の数が増えて、
「カンブリア大爆発」が起きたという考え方でした。なるほどです。
酸素に関する話を立て続けに聞くことができました。
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