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2011年11月10日 (木)

「雁」を「ガン」と読むか「カリ」と読むか

   

今日は11月10日。

子どもが提出した自主勉強から。

   

部首「ふるとり」の漢字とその意味を調べてきた子がいました。

調べてきた漢字は、「隼」「隻」「雁」「雄」「雅」

この中で、まず「」に注目しました。

   

この漢字、「ガン」とも読むし「カリ」とも読みます。

「ガン」と「カリ」は同じ生き物をさすのかな?

調べてみました。

   

「雁」の音読みが「ガン」で、訓読みが「かり」だとわかりました。

「ガン」はカモ目カモ科の水鳥のうち、ハクチョウ類を除いた大型の水鳥の総称であって、

「カリ」は異名。つまり「ガン」も「カリ」も同じ生き物をさします。

   

語源由来辞典に面白いことが書いてあったので、引用します。

「ガン」についての記述です。

   

上代には「カリ」と呼ばれていたのが、室町時代頃から「ガン」が現れた。

次第に一般名として扱われるようになり、

現代では「ガン」が正式名、「カリ」が異名という扱いをされるようになった。

「カリ」が「ガン」になった由来は、語調を強くするために漢語「雁」の勢力が増したとする説と、

鳴き声からとする説があるが、漢語「雁」の説が有力とされる。

ただし、カリの語源はカリガネの鳴き声に由来し、

そのカリガネが減少して、「ガンガン」と鳴くマガンやヒシクイの増加によって、

和語内でのガンの鳴き声を受けたとの見方もある。

http://gogen-allguide.com/ka/gan_tori.html

   

「上代」=主に奈良時代をさす。

   

面白いのは、「カリ」が「ガン」になったのが、鳴き声に由来するという説です。

カリガネの鳴き声は、キュルークックと繰り返したり、キューキューと鳴くそうです。

つまり、これは「カ行」の鳴き声。

だから「カリ」だったのです。

そしてカリガネが減少して、マガンやヒシクイが増えてきました。

マガンは、グエッ、グエッ、グエッあるいはグエー、ゲゲと鳴くそうです。

ヒシクイは、ギャハハーンとやや高めの声で鳴くそうです。

つまり、これは「ガ行」の鳴き声。

だから「ガン」になってきたという説。

いいなあ、この説。この説に賛成したくなります。

   

「雁」を調べて、面白いことを知りました。

次に注目したのは、「隻」

次の投稿で書きます。

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コメント

この件について知りたかったので、とても勉強になりました!
ありがとうございます

うれしいですね。
10年以上前に調べて書いたことが、
役に立って。
ゆぢくすさん、
コメントをありがとうございます。

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