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2010年8月 6日 (金)

1943年(昭和18年)7月5日に起こったこと

   

今日は8月6日。

7日に放映される「幻の甲子園」のことは数回書いてきました。

15日放映の「15歳の志願兵」も、

今まで知らなかった戦争のことを知る上で注目の番組です。

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8月4日朝日新聞夕刊に、この番組の記事がありました。

  

【旧制愛知一中 700人が予科練志願】

太平洋戦争中、名古屋市の旧制愛知一中(現 旭丘高校)で、

約700人の生徒が、飛行機搭乗員を養成する予科練(旧海軍飛行予科練習生)に志願する

「総決起事件」が起きた。

NHK名古屋が事件をドラマ化、「15歳の志願兵」として、

15日午後9時から、総合テレビで放送する。(朝日新聞)

     

「幻の甲子園」にも出てきた旧制中等学校。

旧制中等学校は5年生まであって、

1~3年が後に中学校に。

4・5年生が高等学校になります。

    

記事によると、軍部は兵員不足の解消のために、

旧制中等学生の兵隊志願者を募っていました。

なかなか志願者が出ないために、各中等学校に志願者が割り当てられました。

悩む教師。

そんな1943年(昭和18年)7月5日。

愛知一中で「事件」は起こりました。

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その日は志願者を募るための時局講演会が開かれ、

教師らの呼びかけに刺激された上級生らが

その後の生徒大会で次々と志願を表明。

集まった3~5年生約700人全員が、

志願の意志を示したとされる。

翌日の朝日新聞は「愛知一中の快挙」と報じた。

当時3年生だった水野金平さん(81)は志願年齢に達していなかったが、

手を挙げた。

「盛り上がった上級生が”国を守るために立たなきゃいかん”とぶちあげ、

泣いて叫ぶ生徒もいた。

素直に先生の言うことを聞き、

国のために戦うというのが普通の考え。

先輩も怖かった。

年齢に達していないかもと思ったが、

手を挙げないわけにはいかなかった」と振り返る。

     

全員が手を挙げざるをえなかった異様な集会がドラマのメインになるのでしょう。

教師に説得され、集団心理も働いての「愛知一中の快挙」

その背後にある生徒や教師の苦悩が描かれることになるでしょう。

学徒動員よりもさらに若い中等学生の動員。

原作は次の本。


     

     

積乱雲の彼方に〈新装版〉―愛知一中予科練総決起事件の記録― 積乱雲の彼方に〈新装版〉―愛知一中予科練総決起事件の記録―
江藤 千秋

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江藤さんも7月5日の「事件」に生徒として遭遇した当事者。

戦後に母校に教師として赴任し、

昭和18年になぜ、どのようにしてあのようなことが起きたのかを克明に記録しようと思い立ち、

当時の教師や戦場で命を落とした級友の遺族から証言を集め、

残された日記や資料などを調べ上げて「積乱雲の彼方に」を書き上げたそうです。

    

戦後65年。社会科教師になってだいぶたつのに、

また新しい戦争のことを知ることになります。 

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