夏の研修会より・・・酸蝕症
今日は8月4日。
昨日の研修会報告、3回目。これがラスト。
もう一人市内で開業している歯医者さんが教えてくれたのが「酸蝕症(さんしょくしょう)」
これにはビックリ。
虫歯菌で歯が浸食されて虫歯になるのではなく、
酸性の飲食物によって歯が蝕まれる症状。
コーラは、しっかり酸性で、歯にはよくないことがわかりました。
食事の時にコーラを飲んで、歯が蝕まれた人の写真はショッキングでした。
運転で眠気を感じた時には飲んでいるコーラ。
ちょっと考えものです。ビールも酸性。う~ん。
今年の4月13日「中日新聞」の<微聞積聞>で酸蝕症について書かれたようです。
http://www.chunichi.co.jp/article/technology/science/CK2010041302000125.html
引用します。
【食物の酸から歯守る】
歯をむしばむのは虫歯菌だけではない。
酸性の食品によって歯の表面のエナメル質が溶けてしまう「酸触症」が注目されているという。
よい歯の日(四月十八日)を前に、
東京医科歯科大大学院の田上順次教授に歯を守るためにはどうすればいいかを聞いた。 (永井理)
-酸触症とは。
酸性の食品を食べると歯のエナメル質の結晶からリン酸カルシウムがとけ出てしまう。
虫歯は虫歯菌の作る酸で溶けますが、酸触症は食品の酸で溶けてしまうのです。
-なぜ注目されるようになったのでしょう。
虫歯や歯周病が治療されて、高齢者も歯が残るようになったため目立つようになってきたのでしょう。
欧州ではすでに二、三十年前、グレープフルーツを食べた後、
すぐに歯磨きをしてはだめだと言われていたようです。
-歯を溶かす酸性の食べ物とはどんなものでしょうか。
酸っぱいものはたいてい該当します。
酸に長時間接触させるのはよくありません。たとえばレモンジュースなどをちびちび飲むとか。
体には酸も必要なんですが、歯にはよくない。
溶けて軟らかくなった部分は唾液(だえき)によって再石灰化して修復される。
酸っぱいものを食べると唾液が出るのは防御反応かもしれませんね。
唾液で修復される前に歯を磨くとエナメル質が削れてしまう。
-普段の生活でどんなことに注意すればいいでしょうか。
ワインも酸性ですが、飲むときに例えばおつまみを食べる。
すると唾液が分泌されて酸触を防ぎます。長いこと酸性にしておかないことです。
食べた後で、お茶を飲んだりするのもいいかもしれません。
リン酸カルシウムがあると再石灰化しやすい。
積極的に、牛乳やジャガイモから採ったリン酸カルシウムを加えているガムなどもあります。
-自分で発見するには、どんなところに注意すればいいですか。
歯が平らになってきたり、黄色っぽくなったりしたら要注意。
虫歯は歯に付着した汚れの下で起きる。
酸触症は汚れておらず歯がむき出しになったところで起こります。
-酸触症だと分かった場合、どんな治療法がありますか。
歯科医師にチェックしてもらい生活習慣を改善することが必要です。
ただし、進行を止めるだけで溶けた部分は元に戻せないので、予防が大切です。
再石灰化を促進する成分を含んだペーストを自分で歯に塗るという方法も一定の効果はあります。
歯科医院でフッ素を塗るというのも効果の高い方法でしょう。
「食べたらすぐに歯磨き」は必ずしも正しいわけではないのですね。
昨日の研修で、「目から鱗」だったのは、この酸蝕症でした。収穫!
ご無沙汰しています。
とても勉強になります。ありがとうございます。
実は今年度異動して,初保健主事を担当しています。全く分からない中,養護教諭の先生と相談しながら何とか進めています。
唾液が感染症と深く関わっていることや酸触症のことなど,初めて知ったことが多かったです。
学校保健委員会の良いヒントをいただきました。ありがとうございます。
投稿: ふっとわーく | 2010年8月 4日 (水) 20:29
おー、ビックリ、無沙汰です。
ふっとわーくさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。
参考になったようで、よかったです。
噛むことは昨年度からこだわっていることです。
そして歯。
私も昨年から保健主事になって、
知らなかった分野にかかわっています。
お互い頑張りましょう。
投稿: いっぱい道草 | 2010年8月 4日 (水) 22:14