「明く」について/「埒が明く」「埒が明かない」
前投稿で「開く」「空く」について書きました。
ついでに調べた「明く」について。
「明く」の使い方は、
「目が明く」「襟が明く」(開いて見えるといった感じ)
「埒(らち)が明く」「埒が明かない」という使い方があります。
「埒」とは何だ?
これについては次のブログが参考になりました。
引用の引用をします。
※「みずがめさんの1日」http://yugao.at.webry.info/200906/article_18.html
先日、生活情報誌「リビング京都」に載っていた、
(京都生まれの言葉たち)という見出し。
京都検定一級を持つ、小嶋一郎さんの記事です。
「埒(らち)は馬場の周囲に設けた柵のこと。
賀茂競馬(くらべうま)が終わると 埒があけられ(撤去され)ます。
その日以降、賀茂祭(葵祭)を迎える神事が次々に始まっていくことから、
『埒があく』を道理良く物事が進むさまとして使いました。
今は『埒があかない』、
つまり物事が進まないという表現の方をよく使いますね」(小嶋さん)
京都生まれのことわざなんだなと思いました。
「競馬」は「けいば」ではなく「くらべうま」と読むのにもびっくり。
賀茂競馬については次のサイトが参考になりました
※http://homepage3.nifty.com/a_coral/2005ToBiRaSite/KamoKurabeuma/index.html
※競馬の様子。「埒」もうつっています。
「明ける」の形で次のような使い方があります。
「夜が明ける」「年が明ける」「梅雨が明ける」「喪が明ける」
この使い方が、「明ける」らしい使い方だと勝手に思います。
意味は「あるひと続きの時間・期間・状態が終わって、次の時間・期間・状態になる」です。
「埒明け」は、埒を設けている期間が終わる(つまり、埒を取り払う)ことを言います。この「明け」の使い方は、「夜明け」、「忌明け」、「梅雨明け」などと同じ使い方で、それまで続いていたこと(の期間)が終わる事です。
上賀茂神社(賀茂別雷神社)では4月の半ばに埒を設け、競馬が済めば、(5月6日以降に)埒を取り払います。これが「埒明け」です。賀茂祭(葵祭)は明治以降に新暦(太陽暦)採用にともなって現在の5月15日実施となりましたが、旧暦(太陰暦)時代は「4月の中の酉の日」に行われていました。従いまして、4月中旬に賀茂祭、5月5日に競馬の順だったのです。
従いまして、「埒明け」と賀茂祭は無関係です。賀茂競馬の始めの頃(平安時代)から埒の設定、撤去は毎回くり返されたはずですので、そのたびに、「埒明け」があったのです。
(私は、「賀茂競馬」に関わっている者です。「埒明け」が、賀茂祭とは関係が無く、昔から行われていたことを言いたかったのです。「埒明け」そのものの解説に異論はありませんので、念のため)
投稿: 賀茂の忠顕 | 2011年6月 2日 (木) 11:38
埒明けと賀茂祭が無関係。
ありがとうございます。
こうやって知識がしっかり確定していくのがうれしいです。
賀茂の忠顕さん、コメントをありがとうございます。
投稿: いっぱい道草 | 2011年6月 2日 (木) 20:11