本「恰好いい老い方、みっともない老い方」③ 好奇心を満たすための贅沢をするぞ
今日は令和6年4月13日。
前記事に引き続き、
「恰好のいい老い方、みっともない老い方」
(川北義則著/PHP研究所)より、
引用していきます。
印刷会社に勤める四〇代の知人男性が、上顎部のがんに罹ったことが
ある。
耳に水が入ったような違和感があると感じた彼は、会社の近くの耳鼻
科に行った。しかし、薬をもらって飲んだが一向によくならない。三
度目の診察で、「長引くのを放置しておいては心配だから精密検査を
受けてください」と、医者が近くの有名大学病院に紹介状を書いてく
れた。
「大げさだな」と感じながらも従うと、がんが見つかったのだ。手術
のできない場所だったが、早期発見が幸いし、放射線治療で完治した。
彼はまだ四〇代だったから、「まさか自分が」という思いもあったろ
う。医者にすすめられなければ放置してしまったのではないかと思う。
このように、若くてもがんに罹る。とくに若いときは進行が早いから
早期発見が必須だ。もちろん六〇歳を超えたら「いつ、なにが起きて
もおかしくない」という心構えも必要である。
大切なのは、医者まかせにせず、自分の体の変化に敏感でいることだ。
いままで長く生きてきたのだから、「どうもおかしい」という体の変
調が自分自身の経験でわかるはずだ。 それを大丈夫だろうと勝手にス
ルーしてはいけない。
(122p)
長く生きてきたのだから、自分の変調に自分で気がつけと言うのは、
なるほどです。長く体とつきあってきたのだから。
気づきたいなあ。
そして信頼するお医者さんとつきあいたいな。
すぐに相談できるようなお医者さん。
8年間通っている内科のお医者さんは、
候補ですね。
アメリカの心理学者コーエンが、面白い指摘をしている。
五〇代半ばから七〇代前半にかけて、人間はそれまでとはまったく違
うことをしてみたくなるのだそうだ。そういう時期を、コーエンは
「解放段階」と定義している。
五〇代半ばを過ぎれば、自分の人生の残り時間を意識するようになる。
となれば、「なにかやり残したことがあればやっておきたい」と思う
のだろう。
航空会社に勤める知人によると、定年退職後に海外旅行に出かけるシ
ニア層夫婦が、エコノミークラスでなくビジネスクラスに乗ることが
増えたという。ヨーロッパ路線ともなるとかなりの代金になるが、
「何度も行けるものではないので」と奮発する。ホテルの部屋を、ス
イートタイプにする人もいる。 旅行代金プラス二〇~三〇万くらいに
なる。
このような傾向はいいことだと思う。人生は一度限り。そういう気持
ちには素直に従って、やりたいことはやったらいい。そのためにお金
を使っていいのだ。死んでからお金を残しても意味がない。お金は自
分のために使うべきだ。
私たちは、小さいときから「贅沢を言ってはいけません」と育てられ
てきた。贅沢をするのは、下品なことのように思い込んでいる人もい
る。しかし、下品になるかどうかは人による。 正しい贅沢は、恰好よ
く美しいものである。人生の後半に、そういう贅沢を体験すべきだろ
う。かつて戦時中は「ぜいたくは敵だ」と言われたが、平和な世の中
では贅沢は素敵なのだ。
もちろん、無理をする必要はない。なにか一つでいいから、「自分は、
これだけは贅沢をしている」というものがあるといい。
(161〜162p)
好奇心を満たすための贅沢はしたいな。
スマホ、タブレット端末を充実させたいと思っています。
一眼レフカメラも欲しいと思っています。
自転車は諦め気味かな。
いい自転車は諦めて、他にお金を回したい。
こういう贅沢は、あくまで自分のためのものであって、人に見せびらか
すわけではない。贅沢が下品でみっともなくなるのは、人に見せようと
するからだ。
金持ちにも、庶民にも、恰好いい贅沢ができる人と、みっともない贅沢
しかできない人がいる。恰好いい贅沢ができれば、恰好いい大人になれ
るのだ。
自分がセレブのつもりの女性タレントは、なにかにつけて贅沢自慢をす
る。自宅にどれだけたくさんのブランドバッグや宝石があるかをひけら
かし、あげくはお手伝いさんにそれを盗まれたと嘆く。
はたしてそんな彼女を、どれだけの人が「うらやましい」と思うだろう
か。「彼女のようになりたい」という人は案外少ないのではないか。そ
れは、彼女がちっとも幸せそうに見えないからだ。
人に見せびらかすために贅沢をする人は、贅沢によって幸せは得られな
い。「もっと、もっと見せびらかさなくちゃ」ときりがない。
自分だけ納得する、自分のための贅沢こそする価値があるのだ。
(163〜164p)
お金を使わずに死んだらもったいない。
そういうことを考えるタイミングに、
自分は来ているのだと思います。
贅沢して、後悔しない毎日を過ごしていきたいなと思います。
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