金印のツマミ(鈕)は、駱駝から蛇になった
今日は令和4年8月19日。
いい年になったけど、知らないことはたくさんあります。
2019年2月4日放映の「にっぽん!歴史鑑定」は
金印のことを扱いました。
その時に、金印のツマミが、
もともとは駱駝(らくだ)で作られ始めたが、
途中から蛇になったという説を初めて知りました。
番組の写真です。
☝ 金印は蛇なのに、駱駝の足のようなものがあります。
☝ 後漢時代、都のある洛陽から見て北や東にある国には、
駱駝のツマミでした。南の国に対しては蛇でした。
倭国は洛陽の東にあると考えられ、駱駝のツマミで作られ始めました。
しかし、奴国の使いが、奴国があるのは、
倭国の中でも南だと伝えました。
そこで、急きょ、ツマミは蛇に変えられたというのです。
☝ こんな感じで作られていたのが・・・
☝ こうなったというわけです。
金印は偽物説があります。
江戸時代に作られたものではないのかという説もあります。
しかし、駱駝を蛇に変えた痕跡がある金印は、
本物である証拠だという学者さんがいます。
偽物なら、最初から蛇で作ればいいからです。
以上のツマミの話が、朝日新聞の天声人語に書かれていました。
お、ここにも書いてあるぞと思いました。
引用します。7月30日の朝刊でした。
まず小ささ、そして重さに驚く。つまんだ指先から意外な柔らかみも
伝わってきた。歴史教科書でおなじみの国宝「金印」を、製作当時の
技法で復元する試みが成功したと聞き、県立福岡高校で見せてもらっ
た▼紀元57年、倭の奴国が後漢の洛陽へ使者を送った際、光武帝か
ら受け取ったとされる印だ。江戸後期、福岡県の志賀島で見つかった。
だが出土状況があいまいで、偽物説もある▼復元したのは、考古学者
や技術者でつくる「九州鋳金研究会」。代表の宮田洋平福岡教育大教
授(62)らが4年前に着手し、蝋型(ろうがた)など古代からの技
術で試作を重ねた。失敗するたび地金を溶かし直し、精度を高めた▼
鋳金工芸家の遠藤喜代志さん(72)は「つまみ(鈕/ちゅう)と印
面とで完成度があまりに違うことに驚きました」と話す。「漢倭奴国
王」と彫られた印面は精緻(せいち)なのに、ヘビをかたどった鈕は
不格好だ。奴国の位置を勘違いしていたため、北方向けのラクダを急
きょ南国向けのヘビに作り替えた。そんな説を聞き、遠藤さんは得心
した▼鈕を凝視してみた。ずんぐりしたヘビは、途中までラクダだっ
たなら合点がいく。ウロコ模様も大慌てで打ち込んだかのようだ。「
しまった。奴国って北の国じゃなかったのか」。うわずった声が聞こ
える気がした▼2千年前の超大国にとっては外交上の凡ミスだったか。
はるか洛陽の都まで赴いた奴国の使者も、押し頂いた金印がよもやそ
んな突貫作業の産物だったなどと思いもしなかったにちがいない。
うわずった声が聞こえる・・・がいいな。
金印をせっせと作る2千年前の人を思い浮かべるのも楽しい。
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