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2021年12月 9日 (木)

「御巣鷹山と生きる」「けんちゃんのもみの木」読破

    

今日は令和3年12月9日。

    

美谷島邦子さんの本を2冊読みました。

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「御巣鷹山と生きる 日航機墜落事故遺族の25年」

(美谷島邦子著/新潮社)

  

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「けんちゃんのもみの木」(美谷島邦子・文/いせひでこ・絵/

BL出版)

   

日航機123便墜落事故で、9歳の男の子を失ったお母さんです。

「御巣鷹山と生きる」から引用していきます。

    

遺族会というと、闘争している印象がある。また、いつも下を向い

ている姿が想像される。しかし、第1回集会で、55歳の夫を亡く

し、一人ぼっちになった妻はこう言った。「事故後3カ月間で喪服

を何度も着た。火葬、個人葬、社葬、合同荼毘・・・・その度に悲

しみに打ちひしがれた姿を期待された。でも、もう下を向きながら

生きていくことに終止符を打ちたい。しっかりと前を向いて、なぜ、

最愛の人が死ななければならなかったかを世に問い、亡くなった人

の分まで生きたい。遺族という文字は削ってください」。

集まった遺族は15人。皆、初対面。この発言で、会場のあちこち

でもれていたすすり泣きが一瞬止まり、静まりかえる。しばらくし

て拍手がおこった。彼女の訴えが採用され、「8・12連絡会」と

命名された。

(36p)

  

青山透子さんが発信する「日航123便墜落の真相を明らかにする会」

の事務局便りの中で、

「日航の広告塔と化してしまった8・12連絡会の美谷島氏」と

表現している美谷島邦子さん。どんな方なのかと思って、

この2冊を入手して読みました。

「8・12遺族会」ではなくて「8・12連絡会」となった

いきさつが書かれた文章です。

そして「8・12連絡会」は36年が過ぎた今も存在しています。

それはすごいことだと思うのですが・・・・。

  

 

「8・12連絡会」の第1回集会で発表されたアピール文に

次の文章がありました。

  

事故調査委員会の原因究明を厳しく監視し、事故原因が曖昧にさ

れてしまうことがないよう見守りながら、日航とボーイング社の

責任を問うていきます。

(37~38p)

   

「8・12連絡会」と青山透子さんの活動は一致すると

思うのですが・・・・。

  

  

ただ「8・12連絡会」は、事故原因が圧力隔壁破壊説だと

している点が気になりました。

   

1985年12月に公表された運輸省事故調の第3次中間報告で、

事故前に隔壁に合計29センチに及ぶ亀裂が存在していたことも明

らかにされた。結局、若干の疑問を残しながらも、告訴の基本とな

る事実関係としては、圧力隔壁破壊説以外の選択肢はなかった。

(54p)

   

これは1985年時点の見解です。

情報が限られた段階では、こう考えるのが当然だったかも。

ただこの文章中でも「若干の疑問を残しながら」」と書いているように、

客室で急減圧がなかった点は疑問に思っています。

現時点で「8・12連絡会」はどんな見解をもっているのでしょう。

    

  

人命を預かる航空輸送産業に対して、安全を求めすぎるということ

はない。私たちは、事故の原因を自らの眼で確認し、事故再発の防

止策を促す活動をしたいと考えていた。

そのため、飛行機のメカニズムについても自らが学ぶ必要性を感じ、

機械に強い20代の遺族たちが集まり、8・12連絡会に「原因究

明部会」という分科会を発足させた。あいまいな調査を許さないと

いう強い決意のもと、事故調査委員会の動きを注視した。連絡会の

目的である、「事故の原因の究明を促す」というアピールを実現さ

せるために、弁護士を含めた遺族たちの航空工学への挑戦が始まっ

た。

(60p)

   

この分科会は、日航123便撃墜説には至らなかったのだろうか。

  

  

つづく

コメント

はじめまして、たまたま「御巣鷹山と生きる」を読んでいましたら、この記事と繋がってしまいました。
書かれた通り、真相究明がどの段階で行き詰まってしまったのかと思いました。原因究明部会は不満はなかったのでしょうか?同じような感想を持ちました。

美谷島さんは川上村まで行き、目撃者に会いに行く等真相究明に尽力してきました。それが何故か2011年から諦めたように見えます。

猫島さん、コメントをありがとうございます。
素敵な名前ですね。
猫が身の回りに何匹もいそうな状況が思い浮かびます。
  
日航123便の墜落事故については、
現在情報開示請求の裁判が進行中で、
1審ではうまくいかなくて、現在2審に向けて控訴中。
その裁判を注視しています。
  
その中で、8・12連絡会の美谷島さんのことが
気になって読みました。
読んだ限りでは、裁判をしている青山透子らと
同じ方向を向いていると思うのですが、
なぜか原因追及に消極的です。
事故から38年という月日が経とうとしています。
この期間が長すぎたのかもしれません。
そんなことを考えました。

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