「あの青い空に向かって」/農福連携 雑草という草はない
今日は令和3年4月25日。
この本を読みました。
「あの青い空に向かって 『障がい者と農業』新しい関係への挑戦」
(佐伯康人著/海竜社)
障がい者の労働賃金に驚いた佐伯さん。
日給だと思ったら月給3000円。
「これでいいのか?」
「こんなことではいけない!」
疑問と憤りがふつふつと湧き上がってきました。
その根底には「障がい者には難しいことはできない」「仕事があって
給料が出るだけましだ」といったような障がい者への間違った認識や、
差別的意識があるように思えてなりませんでした。
(73P)
佐伯さんは農業に目をつけます。
農業を成功させるにはさまざまな作業が必要です。自然栽培も同様で
す。障がいを持った人でも、できることは山ほどあるのです。それど
ころか、ぼくの経験上いえることですが、障がい者の多くは、農業を
やるうえで求められる、「焦らない」「努力を惜しまない」「粘り強
い」という資質に恵まれています。
この資質は、種まきから収穫、出荷まで、地道で継続的な作業が求め
られる農業には欠かせないものです。スタッフのサポートが必要なケ
ースももちろんありますが、できることを一所賢明にやってもらえれ
ば、健常者に引けを取らない確かな労働力になりうるのです。
ぼくの実感からいえば、農業とは、障がい者にとって、ベストの職種
といってもいいでしょう。
(78P)
支援学級で農業を少しやっています。
生徒にはいい体験になればいいなと思っています。
佐伯さんは1年に300冊ほどの本を読むそうです。
それが佐伯さんにとって重要な情報源になり、
原動力にもなっています。
本を読んでいいことは実行しているし、
著者に会うことをしています。
学びたい行動力です。
自分の目で障がい者が置かれた現実を知るために、ぼくは障がい者
の人たちが実際に働いている施設を見て回りました。すると、どこ
もかしこもというくらい、クッキーを作っていました。
(122~123P)
これは私の経験からも同感です。
そしてクッキーを作ることで、
障がい者が自立することができるまでには至りません。
この現状は課題なのです。
「草」についても同じことがいえます。ぼくは自然栽培をはじめて
から、あることに気がつきました。それは、「土地によって生える
草が違う」ということです。
隣接した畑でも、それぞれ生える草の種類が違うことがしばしばあ
ります。その理由は、「草は土のバランスを整えるために生えてく
る」からです。別の項で、豆類の話をしましたが、たとえば、窒素
分が足りなければ土中の窒素を増やすための草が生えてきます。窒
素が十分に取り込まれると、もうその草は役割が終わったので生え
なくなります。
普通の農業では作物の栄養分を横取りすると考え、草を目の敵にし
て退治しようとします。しかし、その考え方はまったくの正反対で、
草は土を健康にするために生えてくるのです。
(175~176P)
これがこの本を読んで一番勉強になったことです。
「雑草」なんていう草はないのです。
佐伯さんが進めているのは、障がい者福祉と農業を合体させた
「農福連携」です。
この4字熟語、覚えておきたいです。
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