「天使のゲーム 上」①/ピントを合わせてくれたレビュー
今日は令和2年12月14日。
2020年12月12日朝日新聞の記事で、
読書について書かれたものがありました。
読書会「猫町倶楽部」代表の山本多津也(たつや)さんの
文章です。抜粋です。
「本を読む」というと孤独な営みというイメージがありますが、半分
くらいしか正しくないと思います。
本の作者との対話はもちろんですが、本に書かれた自分の知らない世
界に、他の人たちの視点という「助け」を借りて出会う。
実は読書の本質は、この「出会い」にある。一人で読んでもつかみき
れなかった内容が、他の人の感想や視点を聞くことでピントが合い、
分かってくる。他の人の読み方や意見に反発や違和感を抱いてもいい。
「同じ本を読んできた」という理由だけでその場にいる。
何か本を読んだ後に、その本のamazonのレビューを読むと、
ピントが合い、「そう、私もそう思う」ということがよくあります。
読後にもやもや見えるものが、すっとクリアになります。
「ピントが合う」という表現はいいなと思います。
そしてレビューを読む段階では、皆が「同じ本を読んだ」体験者。
本を読み切るのは簡単じゃない。でも読み切った。
同じ本を読んだ仲間の文章だと思えば、レビューは貴重です。
山の頂上からの景色は、登った人でないとわからないと同じ発想です。
読んだことで「その場」にいる資格があるのです。
今日、この本を読み切りました。
「天使のゲーム 上」
(カルロス・ルイス・サフォン著/木村裕美訳/集英社文庫)
ピントを合わせてくれたレビュー。
『風の影』を読み、再びバルセロナを舞台にした本作品へ。「忘れら
れた本の墓場」という共通の場所も登場するとの触れ込みでだが、そ
の関わりは僅かでしかない。しかし、またしても独特の重々しい描写
に吸い込まれていく。途中「風の影」にはなかった哲学的な会話がビ
ュンビュンと繰り広げられて、ストーリーの進行に取り残されないよ
うに、流さずに読み返さなくてはならないことがしばしばあり、少し
疲れつつ、でも心地よい感じで読み終えました。下巻に期待!
私も読み流しするところもあれば、
思い直して読み返したところもありました。
ストーリーの進行は、
どちらかというともっと早めてほしいと思ったかな。
回りくどいと思うけど、でも「風の影」で思ったのは、
じれったいと思ったエピソードが、布石なんですよね。
後で効いてきます。
引用は次の記事で。
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