「苦しい時は電話して」④ 死にたいというのは向上心
今日は令和2年12月21日。
前記事に引き続き、
「苦しい時は電話して」
(坂口恭平著/講談社現代新書)より。
自殺者をゼロにするということは夢想ではないと思います。それは強
く思います。今を生きる人々が、自殺で命を落とすことがないように、
やれることをやってみたい。
だから僕は今でも自殺者をゼロにすることを諦めていません。
(100p)
やりがいのあることだと思います。
坂口さん自身が言っていますが、
「世界でも有数のお節介焼き」(202p)だと思います。
先生という仕事もお節介焼きだからできることだと思っています。
僕は死にたい時、横になろうとします。つまり、体を休めようとして
いるってことです。横になると、何が楽になるかというと、心臓です
よね。死にたい時はどうも心臓が疲れている時のようです。僕がいつ
も通っている鍼灸院の先生が言うには、ぎっくり腰だって、心臓が疲
れている時になるそうです。とにかく横になりたいから、歩くために
一番重要な腰を動かなくさせるんだと。だから、マッサージやストレ
ッチなどをして、どうにか起き上がって仕事になんか行かないほうが
いいよと言います。
死にたい時もそのようなものと捉えていいのかもしれません。簡単に
休んでくれないあなたに対して、心臓が悲鳴をあげていて、とにかく
横になってほしいのに、寝てくれない。だからこそ、体は鬱状態をつ
くり出して、あなたを休ませようとしているのかもしれません。横に
なるのはサボってるわけじゃなくて、次に動くために心臓を充電させ
ている状態だと考えてみたほうがいいのかもしれません。
サボってるな、と思うのも死にたい人にはあんまりよくないですもん
ね。とにかく僕たちは超生真面目なんですから。そうでないと、死に
たいなんて考えません。ま、いっか、適当に生きようと思えたら、死
にたいというところまで行きません。そして、生真面目なところをま
た悩んでしまいますよね。
(112~113p)
苦しい時は心臓を心配します。
心臓に負担がかかっているな。止まらんでくれよと。
生真面目なところを悩むというのも共感できます。
死にたいというのは向上心
(中略)
今の状態が最悪だから死にたいと思っているわけではないんです。
むしろ、逆で、今よりもっと満足できるように行きたいという向上心
なのかもしれません。僕は実感としてそう思っていますし、電話でみ
なさんの声を聞いても、実は何かやりたい、何かできると思っている
としか考えられないという人ばかりです。それは人生の否定ではなく、
むちゃくちゃ向上心があるということです。
(119p)
「仕事は辞めたい」と思っている時にも、向上心は確かにあるんです。
矛盾しているようですが、実際にそうです。
僕は、朝遅く起きると、それだけで気分が滅入ってしまいます。なの
で、とにかく早起きです。できるだけ早い時間に一つ仕事を終えると、
とても気持ちがいいです。そして、朝だと疲れはほとんどありません。
(140p)
坂口さんはよっく自分のことを観察していると思います。
鬱状態の自分を。
朝遅く起きると、気分が滅入るのは同じです。
二度寝はさらに辛いです。
何やっているんだ、自分はと、自己嫌悪まっしぐらです。
橙書店という本屋は僕の家から徒歩5分で行ける本屋です。店主の久
子さんは僕の病気の一番の理解者といってもいい人で、どんな状態で
そこにいても変に思いませんし、励ましてくれます。
(143p)
突然、今年の読書体験とつながりました。
※ここでも道草 「橙書店にて」① 仲間に入れてほしい本好きの集まり(2020年1月18日投稿)
坂口さんは熊本県在住なのだと気がつきました。
つづく
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